暮らして気付いたシンガポールの見どころとおすすめグルメ。~#自分史上最高の旅 #06~
こんにちは。ZIPAIR note編集部です。
「自分史上最高の旅」連載第6回では、ZIPAIRが就航する場所の一つ“シンガポール”について、客室乗務員の金正杏依(かねまさあい)さんが見どころや現地で使えるフレーズと共にご紹介します。
有名な観光スポットがたくさんありますが、現地に住んでいた金正さんの視点でお伝えするシンガポールの魅力やおすすめグルメとは?
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こんにちは、Passenger Operation Team所属の金正杏依です。2019年に入社し、客室乗務員として乗務する傍ら、地上勤務の兼務としてAirport Teamで日々のオペレーションのサポートなどを行っていました。そして今年の4月からは所属部署の管理職として客室乗務員のサポートや、より心地よく働くことができるような環境づくりを目指し日々奮闘しています。
今回皆さんにご紹介したいのはZIPAIRが就航している行き先の一つ、シンガポールです。
私がシンガポールを訪れるきっかけは転職だったので旅行ではありませんが7年半にわたるちょっと長めの人生の旅(!)で見つけた見どころと、今後の皆さんの旅でちょっと参考になるようなことをお伝えしていきますね。
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シンガポールと聞いて皆さんが思い浮かべることはなんでしょうか? やっぱりマーライオン?
高いタワーの上に船の形をした建物が乗っかっているホテル、マリーナベイ・サンズ?
王道のチキンライスや「ガム禁止!」「ドリアンの公共交通機関への持ち込み禁止!」などの厳しく面白い(?)法律の数々など、挙げだすとたくさんありますよね。
7年半住んでいた私が少し角度を変えて皆さんに見ていただきたいなと思うのは、さまざまな人種とその文化が東京23区ほどの面積にあたる国土の中で共存しているところです。
シンガポールの人口は、中華系、マレー系、インド系と大きく分けて3つの人種に分けられますが、そのほか中華系とマレー系・インドネシア系をルーツに持つプラナカン、アジア系とヨーロッパ系のユーラシアンなど、それぞれにルーツと独特の文化が存在しています。衣食住、宗教やそれに基づく祝日、冠婚葬祭の形式、いろいろなものが隣同士で共存しています。日本にいるとなかなか目にすることのない光景だと思います。
ちなみに冒頭の写真は、インド人のお友達の結婚式で撮った写真です。会場に入ると飾りつけのお花や参列する方のサリーとジュエリーが本当にカラフルで、またそのお花と会場内で焚かれるお香のにおい、流れるインド調の音楽、そして振る舞われたお食事はいろいろな種類のカレーやスイーツが並んでいて、見ても聞いても食べても嗅いでも(!)刺激的な結婚式でした。
散策すると、街並みにも多民族国家の特徴がよく表れていることを感じます。
こちらは元カトリック修道院だったというチャイムス(CHIJMES)。レストランやカフェ、ショップが入る複合施設でチャペル内では結婚式が行われることもあります。
サルタン・モスク(Sultan Mosque)またはマスジット・サルタン(Masjid Sultan)と呼ばれるシンガポールで最大のモスクです。長い歴史を持つカンポン・グラム(Kampong Glam)地区にあり、イスラム世界の雰囲気を感じられます。
このように街中にはそれぞれの文化を象徴する建造物が立ち並び、エリアによって雰囲気ががらりと変わります。私も初めてシンガポールに足を踏み入れた時、近代的で最先端な雰囲気のエリアからほんの少し移動するだけで文化的でクラシックな雰囲気が広がるシンガポールの姿に感嘆したと共に心を射抜かれてしまった記憶があります。
皆さんもぜひいろいろな地区を散策して、さまざまな文化が共存するシンガポールらしい一面を感じてみてください!
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多様な文化からなるシンガポールではもちろん言葉も違い、さまざまな言語が話されます。国語のマレー語をはじめ、公用語としての英語、中国語のなかでもさまざまな方言がありますし、タミル語も話されています。そんななかで生まれたのがシングリッシュです。イギリス英語をベースとして公用語が混ざり合って成り立っていて、単に英語訳した単語を並べて構成される文章(「You go where?」)や、英語の一部だけをそれぞれの言語で残してあるもの(「Makan already?」)、など形はさまざまです。
そこで私自身が大好きなシンガポール料理と共に、皆さんがシンガポールに行ったときに必ず役に立つシングリッシュをいくつか紹介しますね!
まずは「キャン」。聞こえたとおり英語の「Can」です。可能や許可を意味するので「キャンキャン!」と繰り返せば「大丈夫!」「いいよ!」というようなニュアンスにもなり、逆に否定する時は「キャノット(=cannot)」と言えば「できない」「無理」と伝わります。
次に「マカン」。先ほど登場しましたが、これはマレー語の「Makan=食べる」という単語です。日常的に使われるマレー語の一つで、なぜかシンガポーリアンはよく「Makan already?(もうご飯食べた?)」と聞き合います。シンガポールのホーカーセンター(屋外のフードコート)に行って「Makan here」と伝えれば「ここで食べます、Eat inです」の意味になります。
最後は「lah(ラー)」です。日本語で言うところの文末の「ね」や「だよ」と同じでニュアンスを伝えるために使われるのでそれ自体に意味があるわけではありませんが、これを文末に付けることで一層シングリッシュっぽくなります。「Hungry lah(お腹すいたよー)」という感じです。
先述したすべてを組み合わせてみると「Cannot makan already lah!(もうこれ以上食べられないよー!)」となります。
また「Lah」のほかにも「Leh(レー)」「Loh(ロー)」「Meh(メー)」などがありますが、それは現地でぜひ聞き耳を立ててどんな意味なのか当ててみてください(笑)。なんとなくシングリッシュに興味が湧いてきましたか? こちらでご紹介したシンガポール料理もおすすめですのでぜひ実際に現地で食べてみてくださいね!
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東南アジア諸国のなかでも近代的なイメージが強いシンガポールですが、今の形になるまでの歴史やそれを持続させる人々のバックグラウンドなどを現地でのコミュニケーションを通じて感じ取ってみてください。きっと今までのシンガポールの印象とは違った一面を見ることができますよ。
さまざまな文化やバックグラウンドを持つ人がいるシンガポールで生活してみて気づいたことは「自分の当たり前や常識が、必ずしも相手にとって同じではない」ということです。同時に「お互いの“理解しようとする姿勢”と“受け入れようとする姿勢”が、うまく共存していける鍵になっているのでは」と思いました。
帰国してから3年が経ちましたが、この気づきを今も大切にし、仕事をしていくうえでこれらの姿勢を忘れないようにしています。
もし皆さんとシンガポール便でお会いすることがあれば、そのときは熱いシンガポール話をしましょうね! Thank you for reading lah!