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ピル

私が生きている中で、女を意識する事物のいちばんは月経だ


私の場合まずは太る
なので、太りやすい月経前は食べることを制限、気にし続けなければならない
ホルモンのバランスのせいなのか、疲れが溜まりやすい上に、食べること以外に楽しみのない私にとって、満足に食べられないことでより一層ブルーな気分になる

そしてたいてい、月経は嫌な出来事があったあとにくる。追い打ちには追い打ちを、とでもいうのか


月経がきたらきたで、子供を産めと、自分の意識とはまた別のところで身体に求められているように感じる。
なにに対して焦ればいいのかよくわからないまま、腑に落ちない気持ちで5日間を過ごす


自分から流れ出す真紅の体液は、私の心に溜まった鬱屈そのものだったとしたらどんなによいか



来月11月に旅行にいく
たったひとりで、3泊4日の鎌倉・東京旅だ

計算してみたところ、排卵後の生理前の時期、最悪月経がかぶる恐れがあるので、ピルを飲もうと思った

ピルといえば避妊というイメージだが、実は使い方で、ホルモンに作用して月経を移動させることもできるらしい、と最近知った


というわけで、病院に行った
しかし、私は月経不順が度を超えていて、旅行日後に月経を遅らせることは出来ても、旅行日の前に早めることは難しいそうだ

その日は高い初診料だけ取られて、ピルの処方については月経が来てから、ということになった。まあ当然の診断と思う


私の憂鬱は晴れない

女性として、そして生物として健康に生まれてしまったからには仕方ない生理的な症状である月経

いくら私が子どもを望まず、生物としてのルールに抗おうが、月に一度、必ず訪れる憂鬱、月経


多くの女性の悩みの種であろうと思う

無論私にとっては不幸の種である


自分は女なのだ、どうしようもなく、しかたなく女なのだと意識する





※地味子は地味子の子どもは望んでいませんが、子どもを望む女性のこと、妊娠すること、出産すること、子供を育てることを否定することはございません

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