エッセイ:大ちゃんは○○である72
120名の応募があったなんて。
さすがにその応募人数には僕もびっくりした。
改めて、『よく選ばれたもんだよなぁ』と感心したと同時に、
この場にきての妙な安堵感が押し寄せてきたのを覚えている。
学校長の挨拶が終わると、今度はオリエンテーションに入った。
事務の女性から今後の授業の進め方・スケジュール・注意事項についての説明があり、
その説明を聞きながら僕は良い意味でも悪い意味でも
『あっ、こりゃ本当に学校だわ』と思った。
朝9時に登校して、1限目から順番に授業を受けていく。
授業内容で教えてくれる講師が代わっていき、
昼休憩の1時間が終わったらまた夕方まで教科書を開いての授業。
大学を中退した時には、まさかもう一度学校に通うなんてことは夢にも思ってなかったわけで、
なんだかワクワクするような、どこかくすぐったいような新鮮な気持ちだった。
一通りの説明が終わると、ランダムに5人づつのグループに分けられ
それぞれの自己紹介タイムが始まった。
今まで僕が知っていた学校と大きく違うのは、
先にも書いたように本当に様々な年齢の方が集まっていること。
そして、一人一人が多様な人生経験を持っていることで、
皆さんの話を聞いているだけでとても興味深く、そして面白かった。
会社を経営していたけれどもうまくいかず、
未知の世界で一からやり直そうとする方。
お子さんがいる中で離婚をされて、
手に職をつけて頑張っていこうとされている方。
身内に介護が必要な状況の方がおり、
『ちゃんと勉強したいんだ』と熱を持って話される方。等々。
それぞれがそれぞれに色々な想いを持って
この場に集まってきていることが分かった。
つづく