死にたくないなら死んだも同然

2024-03-04
「きみが一番だよ」そう言ってみたけれど、すきに一番も二番もあるわけがない。いろんなすきがあって、どれもそのすきの一番なのだから。なんかずっとなきそうなんだよ、彼に久しぶりに会ってしまったから。なんかずっと夢みたいでさ。ステージの照明の赤や青の丸がいつになっても視界から消えてくれない。親指のささくれを掻き毟っている間だけはその痛みでなんとか夢から覚めることができた。
死にたくないのだ、最近。それがとてつもなく恐い。毎朝起きてあんなに絶望していたのに。薬を飲み始めてから全く死にたくならない。発散できない、恐さ。今までは負の感情を創作で発散していたからなかなか創作したい欲が湧かない。前みたいにうまく文章が書けなくなった。発散するものがないのはとてつもなく恐い。死にたいが消えてしまったらすごくさみしいんだね。今まで自分の心を埋めていた感情が急になくなってしまったら、それがどんなに苦しい感情であってもさみしいと感じるんだね。いっそ断薬して鬱に戻りたいとさえ思う。創作できないなら、死んだも同然だ。今も文章を打ちながら自分にいらついている。鬱のときはうるさいくらい頭の中が言葉でいっぱいだったのに今は全然言葉が出てこない。こんな自分、生きている価値がない。創作できないなら死んだほうがマシだ。空っぽだ。「死にたい」が私を形づくっていたのだ。「死にたい」が私の創作の正体だったのだ。そこから救われたくて創作をしていたのだ。だからその感情がない今、私は死んだも同然だ。死にたくないの、さみしいよ。


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