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成長期の野球肘の原因とは?

みなさん、こんにちは。

今回は野球肘の原因について、
考えられる要因を深堀していきたいと思います。

とある日、カラダラボに中学2年生の野球少年が来店しました。

その少年は小学5年生の時に、
整形外科の先生から「野球を辞めなさい」と宣告されるほど、
右肘を痛めてしまったようです。(野球肘)

しかし、その少年は諦められず、左利きに転向し、
現在も野球を続けているそうです。

当然、「サウスポー転向」というのは素晴らし選択肢だと思うのですが、
小学校5年生で「野球肘によってボールを投げられなくなる」ことに疑問しかありません。

今後、同じような状況の方に相談されたときに、
「利き腕を変更することで、復帰可能ですよ!」ということを
トレーナーとしては提案したくないなと思います。

近年では、トミー・ジョン手術やPRP療法により、
内側側副靱帯を断裂したとしても、
再びボールを投げられるようになったプロ野球選手が多いです。

もちろんこの方法は、トレーナーが行うことはできません。
治療後のリハビリを行うことはできるかもしれませんが…

野球肘の原因を正しく理解し、野球肘の予防に努めたり、
症状の改善のためにコンディショニングやストレッチを提供したりすることが
トレーナーとしては重要だと思います。

野球肘とは

野球肘とは、成長期にボールを投げすぎることによって生じる肘の障害を指します。
投球時や投球後に肘が痛くなってしまう症状です。
肘の伸びや曲がりが悪くなり、急に動かせなくなることもあるのです。

この野球肘の原因は以下が考えられます。

・カラダが硬い
・筋肉の連動性がない
・フォームが悪い
・投球過多
・・・

色々原因がある中で、今回来店された少年の場合、
小学校5年生の段階で、野球を諦めさせられるような肘の痛みの原因を深堀してみます。

長期的な野球肘の原因

この少年を担当したラボスタッフは以下のようにまとめました。

①猫背
腕・肘・肩・肩甲骨・股関節が「正常な状態」からかけ離れているため、制限がかかってしまった。
特に、股関節の回旋、胸郭の正常性が重要。

②下半身の筋力不足
下半身を上手く使えず、手投げになってしまっていた。
成長期は骨が柔らかく、関節も脆弱なため、繰り返す投球動作にストレスを感じ、痛みが出てしまった。

右利きだと右脚で地面を蹴り、左脚へ体重移動をさせて上半身に力を伝えるので、
特にハムストリング・下腿三頭筋・大腿四頭筋の筋力増加が重要。

また、足首が硬く前脛骨筋が上手く使えていないため、
右脚で地面を蹴るときの瞬発性に欠けている。

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