練習の質を高める「走り始めの尾骨感覚」
もしかしたらあなたも、こんな経験があるんじゃなでしょうか?
「特段変わったこともしてないのに、今日は身体の動きが鈍い」
「いつもと同じような努力感で走ってるのに、今日はペースが上がらない」
このギャップってなんで起こるんでしょうか?それは…
「僕たちの身体は何か特別なこと(レースやハードな練習など)でもない限りいつも同じ状態である」という前提にあるんじゃないかと思うんです。
しかし実際、僕たちの身体はいつも同じ状態ではありません。絶えずその時々の刺激や環境に対して変化しています。
「レースやハードな練習によって疲れる」というのはわかりやすいので自覚しやすいんですけど、たとえば「お菓子をいつもよりもちょっとだけ食べすぎちゃった」ことによる身体の変化には、なかなか気づきにくい。
身体の動きが鈍い時、「今日動きが悪いのはいつもよりもお菓子の量が多かったから」と考えるランナーって、そんなにいないんじゃないかと思うんです。だけど身体は確実に、その刺激に対して「無意識」のうちに適応しようと、変化します。
また、その日にものすごく仕事が忙しかったり、精神的な負荷が強かったりすると、それはそれで身体は「無意識」にその刺激や環境に適応しようと、変化します。
体重だってそうだし、気象条件もそう。走る場所、周囲のにおいや音にだって「無意識」に適応し、身体を変化させます。
ここで何が言いたいかというと、僕たちの身体は絶えず「無意識」のうちに変化している、ということです。良くも悪くも。
キプチョゲ選手もこないだの東京マラソンで思うようなレースができなかったことに対して「毎日がクリスマスではない」と言ってましたが、まさにその通りだと思うんです。良い時ばかりではありません。
僕たちの身体は、いつも同じように思えますけど、同じではありません。毎日が「その日その時仕様の身体」なんですね。一期一会です。
で、この前提を踏まえて、今日の内容に入っていきます。
毎日が、同じ身体ではない。たしかにそうなんですけど、とはいえ、僕たちの身体は、毎日、同じです。高岡尚司は高岡尚司の身体ですもの。ちゃぶ台ひっくり返すようですけど、これもまた事実。
つまり、高岡尚司の基本スペック自体は、そうそう日替わり弁当みたいに変わるものではない、ということです。もちろんそれは高岡だけではなく、あなたも同様。
そう考えると、いつも同じ身体ではないという前提を持ちつつ、いかに自身の基本スペックを有効活用し、いつなんどきも、いかに「アウトプット」つまり「走パフォーマンス」を揃えるか?ということを考えた方がいいわけです。
そこで重要になるのが「走り始めの数分を、どう走るか?」だと思ってます。
走り始めの数分の走り方について、あなたはどんなことに注意を向けていますか?
その日がリラックスジョグだけの日もそうだし、インターバルなどの練習が入っているときなども、どんなことに注意を向けて走り始めていますか?
僕はここ数日、この走り始めの数分の過ごし方に、その日の練習の質が左右されるほどのインパクトがあるなーと、特に感じています。
そこで重要になるのが、今日の動画で説明している「尾骨」への意識です。
この動画で説明している「尾骨感覚」を鮮明にして、尾骨で走る感触が掴めると、たとえその日の身体が「クリスマス仕様」じゃなくても、そもそも持ち得ている基本スペックを駆使することで、最低限のアウトプットを揃えることができます。
では、こちらの動画をご覧ください。
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高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員