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ゴミがあったら跨げない!とある営業の話

<おじさんDX Vol 46>


本日は、ゴミがあったら、跨げない!

そんなTさんのお話(特定を防ぐため、一部フィクションです。)




またゴミの話です。
この前のゴミの記事は、下記になります。


さて、本日の話しです。


歩いている時や散歩している最中
道端にゴミがあっても



「自分が出したゴミじゃないから...」と

なっていませんか?


そうは言われても...
実際には、なかなか拾えないものです。

小さなゴミならまだしも、大きなゴミとか
衛生面でも良くないし...
仮に拾ってもコンビニとか施設のゴミ箱に捨てるのも躊躇するし...

かと言って、自分の家に持ち帰るのも...


やらない理由は沢山ありますし、
常にゴミを拾って歩けとか
特定のスケジュールでゴミ拾いをしなさいとか

私は言うつもりはありません。


ただ...

1つ拾えば、1つ綺麗になっているのです。

私も出来る事からやっています。




それは、

◆常に鞄や服のポケットにビニール袋と手袋を入れている

◆途中でゴミ箱が見つからなければ、会社や自宅のゴミ箱に捨てる

◆コンビニとか施設のゴミ箱に捨てさせて頂いている

特にコンビニをはじめとしたお店のゴミ箱を利用させて頂く場合
『ゴミを拾ったので、捨てさせて頂いて宜しいでしょうか?』と

許可を得てから捨てています。
お店にとっては、何の利益もない事ですから...。



これは、以前一緒にお仕事をしたTさんの真似です。

取引先に商談に行く際の道中でも
道端にゴミを見つけると、持っていたビニール袋に入れる。

おかげで私のTさんのイメージは、仕事用の鞄と
拾ったゴミが入ったビニール袋を持っている姿です。


『今日は、セブンイレブンのブランドバッグなんですね!』と私が言うと

Tさんは、『今日は、こんなのが落ちていたよ!』


みたい感じの会話が、いつものパターンでした。
ちなみに、ビニール袋というのは、どうも安っぽい

ですから、Tさんと私の間では、
ビニール袋=ブランドバッグと呼ぶのが、暗黙の了解です。

取引先と商談があっても
Tさんは、いつもブランドバック(ビニール袋)を持っています。



『最近さぁ~レジ袋が、入手しにくくなってさ...』
『ウチの妻は、マイバッグ持って買物するから...さ』

ホームセンターで無印のブランドバッグ(ビニール袋)を買ったよ。

と、Tさんの悩みは、もっぱらビニール袋の入手経路です。



その日は、特に重要な商談でした。

金額も大きく競合との競争もあって価格交渉が激化。
私達の会社側が、やや不利な戦況です。

何度も先方の担当者と商談を重ねていたのですが、
なかなか成約に至らずにいたのです。

会社にとっても 大きな大きな大きな契約です。



そしてその日は、
先方の社長がその商談の席に同席する...
という事態になったのです。





社長が同席される...。
私はその事を聞いた時に、『すごく緊張していました。』

でも、Tさんは、いつも通り飄々としています。
『提案に自信もある、お客様のメリットも大きい。』

『先方の社長にお会い出来るなんて チャンス!じゃないか!』

そういうTさんの手には、
ブランドバッグ(ビニール袋)が...


私は、「さすがに今日だけは、まずいんじゃないの?」と
思っていたのですが、Tさんはそんな事お構いなしです。


やがて約束の時間が来て、
なんと社長室に直接招かれます。


商談開始と共に、先方の社長から

ところで、君達は、

『どうしていつもビニール袋を持っているんだ?』

この瞬間私は、
『あっ!やっちまった!』と思いました。





ところが、Tさんは

『いやですね社長!これ!ブランドバッグですよ!』
『今日は無印ですけどね!』

あ~終わった...と私は、その時思いました。




少し間をおいて社長とTさんは、大笑い
(私は、目が点に...)


社長は、
『いやぁ~、それは失礼したね!』
『ブランドバッグかぁ~』
『たしかにそうだよね!』



そんな話よりも商談です。




『ところで社長、今日の本題は...』とTさんが切り出すと...

『いやいや...わかってるよ♪』
『はい、契約書♪』

ここに私のサインと代表印も押してある
『これでいいかな?』
『よろしく頼むよ♪』


呆気にとられるTさんと私...


『君達が今日来る前にもう決めていたんだよ』
『こんないい提案、ウチがお願いしたいぐらいだよ』

『頭を下げて、お願いするのは、ウチの方だよ』

(無事契約成立したのはいいのですが...)

それでもTさんと私は、あまりの呆気なさに、
まるで狐につままれたかのような反応


その様子を見た社長は

『契約は嘘じゃないし、冗談でもない』
『間違いなく、正式な書類だよ』

『実はさ...君と君(Tさんと私の事)』
『何度かウチに商談にきているよね?』

『たまたま見ていたんだよ私』
『君達が、社屋の敷地にあったゴミを拾っていたのを』

それも3度も

最初に見た時は、
『なんで、あの営業は...ブランドバッグだったけ?』
『ビニール袋を持って来ているのだろう?』と思ったけどさ


会社は、見ての通り見た目は大きくなった

でもウチの社員の心は、全然出来ていない


『これは、経営者である私が至らない証拠』

大きな仕事や金のことばかり目が行って
足元のゴミすら拾えないほど

慢心しているんだよ

ウチの社員もたしかによくやってくれている。
そこには、感謝している。


しかし現実には、こんないい提案をして頂いて

価格を叩くことしかしなかっただろ?
『ウチの担当者は...



『それもこれも全部、社長である私が至っていない証拠』



人として
君達のように無意識の内にゴミを拾える人に
私は、感動をしたんだよ!

だから、直接君達に会いたくなってね!
それで、わざわざ時間を作ってもらったんだ

私達は、感動したと言うよりも、
あまりの展開に現実がつかめず...


しばらく、これは夢じゃないか?と...




そうしてTさんと私は、会社に帰ったのです。

契約成立は、報告をいれていたのですが...

帰社してみると上司や部署だけでなく、社内がもう大騒ぎ

『どうやって、あんなデカい契約を成立したの?』
『マジで すげぇ~を通り越して、ミラクルだよ』

『なんか、裏技でも使ったの?』

その他、色々な人から質問やら感想やらが、しばらく来ました。


その答えにTさんは...
『ゴミを拾っただけ!』だよ!


まるで漫画のような話でした。

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