【ここで働く理由】創業者と企業理念の話
<おじさんDX Vol214>
企業理念は、各企業に様々であります。
✅企業理念とは
会社が大切にする考え方や価値観/存在意義などを表したもので全従業員が共有し、会社における行動や意思決定の基準となるものです。
色々な企業の企業理念は、見ているだけでも面白いのです。
✅ALPHABET INC. (GOOGLE)
Google が掲げる 10 の事実
1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
2. 1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
3. 遅いより速いほうがいい。
4. ウェブ上の民主主義は機能する。
5. 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
6. 悪事を働かなくてもお金は稼げる。
7. 世の中にはまだまだ情報があふれている。
8. 情報のニーズはすべての国境を越える。
9. スーツがなくても真剣に仕事はできる。
10. 「すばらしい」では足りない。
✅違和感
過去に在籍していた会社の企業理念は、人を大切にするような内容でした。
(企業理念を書くと身バレしますので、一部フィクションとなります)
🌈創業者は、本当に尊敬出来る方でした。
三方良しどころか、四方も五方も六方もという人でした。
✅取引先を大切にしましょう。
✅お客様に感謝しましょう。
✅従業員を大切にしましょう。
✅地域住民に感謝しましょう。
✅社会に貢献しましょう。
✅関係各位を大切にしましょう。
商売は、儲けないとやっていけませんが、かと言って嘘や偽りとまでいかなくても儲けるだけの会社が生き残っても、何があるのでしょうか。
🍀どこまでも誠実。
もう少し器用に要領良く立ち回れば...なんて思われるかも知れませんが「偶直さ」というのは、時に大きな信頼関係で結ばれていくのです。
🍀見返りを求めない姿勢に賛同して頂ける協力者が多かった。
一時期は、苦しい状況ながらも、この創業者の為に社員が一丸となって危機を乗り越えた事もあるのです。やがて創業者が引退し、経営者が変わると創業者とのギャップが出て来たのです。
行き過ぎた株主第一主義や拝金主義により、社風も随分と変わり「とにかく儲かれば良い」のような状況でした。疲弊した従業員は、どんどん退職していきます。
「らしくない...」
経営は、綺麗事だけで済まないのは百も承知です。それでも古参の社員を中心に違和感を感じていたようです。
✅『道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である。』
まさにこの考えが、しっくりくるのです。
✅ここでなくても良い
正直言って同業他社と同じような実態ともなると、この企業が存在し続ける価値が、低いように感じたのです。
✅一部役員は、「創業者はもう関係ない人」
✅創業者に関わる書籍や文献などは、すべて廃棄するように。
これには当時、相当に不信感を抱きました。
その事を本社の幹部に伝えると...
✅嫌なら、協力しなくてもいい。
✅時代は変わった。
✅黙って会社に従っていればいいんだよ。
私の想像上ですが「創業者なら絶対に言わないような発言」
ですから、私も
✅「企業理念を守れないのなら、別な会社にあなたが行けばよい」
✅「創業者の理念を守るのが我々の使命では?」
✅「それで会社が潰れるようであれば、それまでの話」
✅「創業者に惚れ込んだ社員の気持ちがわかりますか?」
✅「単純に仕事に来て、給与を得る為にだけ働いているのではない」
株主総会では、さも「○○イズム」を継承しているかのように、体裁を考えて「創業者の理念を受け継いでいます」と事ある毎に言っている役員です。
それは企業の業績だけでなく、創業者に対しての尊敬の念から賛同して頂いた株主様が、多数いることの証明でもあるのです。
実態は、創業者の教えも守られず「古い」だの「綺麗ごと」だの言っているのです。先人達が築き上げた目に見えない資産を食い潰すだけに見えました。
私は、この時に「この会社は終わったな...」と思いました。
若かりし頃なら、こうした考えが出来ませんでしたが、この年齢になると残された時間は有効に使いたいのです。だから企業理念は、より大切になって来るのです。
その後、その会社は離職が激しくなり、辞めた社員を中心に実態が広まってしまい世間の評判が悪くなりました。あれだけ求人をすると応募があったのですが、今は殆ど募集をかけても応募がないのです。
危機感を感じた経営陣は「原点回帰」と言い出しましたが、その頃には、創業者の意志を引き継いだ人は居なくなっていたのです。
原点回帰...。
🍀原点を知らない者が、回帰する事は出来ません。
✅変わる事も大切だが、変えてはいけないものもあるのです。
そんな、おじさんの話でした。