立ち直ろうとする人に私が出来た事


<おじさんDX Vol 55>

以前退職したM君が復帰した話です。



復帰と言っても


アルバイト待遇での新規雇用

前職で抑うつ症状から退職して
ウチの会社に入社したのですが、

寛解していなかった...。
入社間もなくうつ病が再発したのです。



前職を辞めてから時間が空いている。

一般的に入社したてでは、休職期間は短い。


仮に休職できたとしても短い休職期間は、
逆にプレッシャーになると私は、考えました。


それでなくても入社したては
環境や仕事に慣れるまで大変です。

未来ある若者を救いたい
まずは療養が優先

M君は、親元から通っているので、
どうにか生活は出来る。

入社後すぐに病気が再発して働けない。

M君自身もこれには、落ち込んでいました。




M君の気持ちは

無理してでも働きたい
仕事を辞めたくない




M君にとってその時一番必要なのは

療養する事であって、働く事じゃないのです。




私はとあることを行いました。

自主都合で退職してもらう
(在籍していなければ、働く義務はない)

療養後、主治医の就業可能判断があったのち
M君をアルバイト採用する。

退職するにも、その先がないと不安が増します。



現実的な話で
新入社員でリハビリ勤務を適応するのは、
かなり厳しいのです。

会社や周囲の目もあるでしょう。

アルバイトスタッフだと、
『週3日、勤務時間は1日3時間まで』
といったような、勤務を可能にしやすい。

たしかに短期間、短時間では、採用も厳しくなります。

主治医からの診断では時間制限があるので、

アルバイトとは言え、雇用してくれるところが少ないのが実情です。



私が、当時M君の退職に当たって
一番心配した事が、一時的とは言え

職を失う事です。

職を失う事に関しては
M君も相当なプレッシャーを
感じていたようです。

だからと言って
当時そのまま働き続ければ、

取り返しのつかない事になる可能性が、

充分考えられました。


一度 職を失ってしまうと社会復帰が遠のく

その社会的事実が余計に彼の病を
悪化させることに繋がってしまう可能性がある。

これが、一番の懸念事項でした。

まずは、仕事のことは考えず
うつ病を治療することに専念して欲しい。

そして働く意欲と体調が回復し、
主治医の許可があれば、バイトに来ないか?と  

打診したのです。


『誰かが待っている』
『誰かにあてにされている。』



ただでさえも病気が原因とは言え、



先の見通しがないと 

ネガティブな感情になるのです。

自分はこのままでいいのか、
自分は大丈夫なのか?
いっそのこと死んだ方がマシ

と、なる事も充分考えられるのです。



療養中に仕事が出来ないとしても、

誰かが待っている
誰かにあてにされている。


これほど心強いものはないと思います。


その逆に 
誰も待っていない
誰にもあてにされていないのは

辛すぎます。





新入社員とは言え
どうしてそこまでするのか?と言われれば、

私が世話好きなのかも知れません。



彼がこのまま埋もれていくのが不憫でね....。

できうる限りの援助はしてあげたい




一時的とは言え、退職には変わりない。

その時の彼の本当に落胆した様子を

見て聞いて

自分なんかよりも、
彼はずっと この会社で頑張ろう!と

賭けていたんだな,,,と思った次第です。


復帰とは言え、
短時間ですし、仕事量も少ないです。



それでもいいのです。


周囲に自分が病気であること

カウンセラーに通っている事を正直に話している

そんな様子を見て、
彼が自分の病気を治そうという

本気度が少し分かった気がしています。


本気の奴には、本気で応えるのがマナーです。


そんなおじさんの話でした。

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