日本酒は人の手で醸される自然の産物|日本酒に刻まれた想いといいもの作りの循環
はじめまして。株式会社京伝びと(きょうでんびと)の盛岡と申します。
プレミアム新日本酒ブランド【禅利】(ぜんり)は、京都から世界へ届く最高の日本酒をつくりたい、という想いで私たち「京伝びと」が立ち上げた日本酒ブランドです 。
私はこの日本酒をつくる京伝びとメンバーのひとりとして、【禅利】をより多くの方に手にとっていただくための活動を行っています。
日本文化は米とともにある、と言っても過言ではありません。地域によって形は違えど、食も暮らしも、私たちのベースには米づくりがあります。
古来、日本の食文化の根幹に存在する日本酒の新しいブランドの誕生に心躍らせると同時に、日本酒に、そして日本酒を生み出す環境に真剣に向き合っていきたいと、身の引き締まる想いです。
このような私や製造にかかわる方々の日本酒への想いや、新しく誕生するプレミアム日本酒ブランド【禅利】について、この場を借りてお伝えできればと思います。
自己紹介(プロフィール)
私は普段、“FOOD&COMPANY"(フードアンドカンパニー)という、関東近郊を中心にオーガニックグローサリーストアを展開する会社で、広報やPR、企画の仕事を中心に行うコミュニケーションディレクターとして活動しています。
自然に寄り添いながら農業や林業、漁業などを行う生産者と、それらを使ってものづくりを行う作り手たち――彼らの想いをユーザーのみなさまに広くお届けするべく、食材を紹介したり食生産の背景を伝えたりしています。
食に興味を持ち始めたのは、高校生の頃。大学から大学院では農学部に所属し、お米を専門にさまざまな国の生産者とともに研究を行ってきました。
そこで出会ったのは、「自然とともに生きていく」覚悟を持つ生産者の方々でした。
たくさんの人が、自然を活かし自然とともに生きる形で、私たちの日々の食を支えてくれていることを知りました。
彼らの想いや活動をもっとたくさんの人に知ってほしい――そう思ったことが、食に関わるきっかけとなりました。
日本酒は人の手で醸される「自然の産物」
日本酒の材料は、お米と水、麹のみ。【禅利】に用いられる京都産のお米 “祝(いわい)”をつくる生産者の八木さんは、日々自然と向き合い、素晴らしい品質のお米を生産していらっしゃいます。
そして、酒蔵の方々も同じく、日々自然と向き合いながら日本酒を醸しています。お米と同様に、日本酒もまた、自然の産物なのです。
もともとは、どの酒蔵でも手で醸されていた日本酒。ですが、さまざまな食生産の機械化が進む中、日本酒の製造においても例外ではありません。
もちろん機械化することでクオリティが上がるのであれば良いと思いますが、一方で日本酒にはそうはいかない領域があります。
人の手だからこそできる技。日本酒産業を含む伝統産業には、なにかしらその技が必要になるプロセスがあるはずです。
では、それは何なのか。
機械で作ったほうがクオリティが均一になり、量産もできます。ですが、お米と水はその時々で状態が異なるため、臨機応変さが必要です。
また、手の温度や常在菌も味やクオリティに結びつくため、人の手が欠かせません。
「いい酒をつくりたい」という一心で、酒づくりのプロセスに介在する人々はこれまで情熱を傾け、試行錯誤を続けて高みを目指してきました。その歴史は長く、さまざまな人の想いを年輪のように刻んで、その技術はいまもすこしずつ前進しているのです。
「おいしい」の先を考える想像力が、いいものづくりに繋がっていく
人の技術の発達と同時に機械も発達し、“ある程度”のものは機械で作れるようになりました。もう「おいしいものをつくる」だけでは誰かの手に届きにくくなっています。
機械の発達によりクオリティに大差がなくなったというのもそうですが、一方で人の感覚が鈍っているのも事実です。
猛スピードで日常が進み、寝る時間や食べる時間もままならないような都市生活を送っていると、そのプロセスを、そして食べ物が命であることさえも感じる余裕がなくなります。
そんな環境下では、想像力や思いやりが欠如してしまうのでは、と思います。
自分が何を食べているのか、なぜここにたどり着いて、どんな人が関わってきたのか。どんな想いで作っているのか。
もので溢れたこの時代に、これからもいいものづくりを続けていくためには、作り手はさることながら、私たち受取り手(飲み手)がいかに想像力をもって感覚を研ぎ澄ませ、「おいしい」のその先にある思いや情熱を感じとることができるかが、とても重要になってくると思うのです。
そして、その想いや情熱が再評価されることで作り手の誇りが生まれ、さらなるいいものづくりに繋がっていく――そんな、すばらしい循環を生み出していきたいと思っています。
100年後もおいしいお酒が飲み続けられるように
私たち「京伝びと」は、生産者と作り手、運び手、そして飲み手をつなぐ存在――まさに、プロセスに関わるすべての人々の想いや情熱を大切に、想像力と思いやりをもって現代を生きる人々の背中を押していける存在です。
これから京伝びとは、【禅利】をはじめとした日本酒に、そして日本酒を生み出す環境に、真剣に向き合っていきます。
100年後も、おいしいお酒が飲み続けられるように――未来への挑戦を、みなさまとともにできることを楽しみにしています。
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■この記事を書いた人
盛岡 絢子 ayako morioka
京伝びとメンバー
兵庫県神戸市出身。大学では農学部作物学専攻でイネの研究を行う。大学院卒業後、株式会社リクルートにて採用に関する業務に従事したあと、日本全国の食とそれにまつわるストーリーを届けるため、東京を拠点にグローサリーストアを展開する”FOOD&COMPANY”にてコミュニケーションディレクターを務める。現在は京伝びとメンバーとして、それぞれのブランドの魅力や、日本酒を中心とした日本の食文化の魅力を発信する。