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人と人とのコミュニケーションをAIで支える未来へ|R&D室 データサイエンティストインタビュー
シリーズ【ZENKIGENで「はたらく人」の紹介】では、社員のこれまでの経歴やZENKIGENに入社した理由、実際の仕事内容やそのやりがいについてお伝えしています。
今回はR&D室 データサイエンス(DS)チームの栗原さんのインタビューをお届けします!
DSチームで研究開発に携わる栗原さんの専門領域についてや、ZENKIGENの入社理由、チームの雰囲気について伺いました。
ZENKIGEN
R&D室 データサイエンスチーム データサイエンティスト
栗原 理聡(くりはら まさとし)
2018年3月 東北大学大学院情報科学研究科博士前期課程修了。同年4月 株式会社ワークスアプリケーションズに新卒入社。チャットボットの応答精度向上に向けた、自然言語処理の研究開発に従事。2023年3月 株式会社ZENKIGEN入社。録画選考システム『harutaka EF(エントリーファインダー)』や、面接の録画に対して、応募者や面接官が発した内容を解析するためのロジック設計やモデル開発を担当。
「言葉を理解するAI」の未来をZENKIGENで創りたい
ー学生時代に自然言語処理を研究されていたとのことですが、興味を持たれたきっかけは何だったのでしょうか?また、具体的な研究内容についても教えてください。
自然言語処理に出会ったのは大学時代です。当時、コンピュータは高い計算能力と記憶力を持っていた一方で、人間の「言葉」や「感情」を理解することには劣っており、そのギャップに興味を持ったことがきっかけでした。人間より高い情報処理能力を持っているコンピュータであっても、情報伝達の根底である「言葉」を理解するのにはまだ難しさがあったことから、「コンピュータに言葉を理解させたい」と思うようになり研究を始めました。
大学院では自然言語処理の研究室に所属し、SNSデータを用いてポジティブ・ネガティブな感情を自動分析する研究を行っていました。ソーシャルメディアの口コミが企業や製品の評価に与える影響が当時注目されており、感情分析が製品改善や企業戦略に役立つと考えられていました。
ーこれまでのキャリアと、ZENKIGENに入社された理由を教えてください。
自然言語処理をプロダクト開発に活用したいという思いから、1社目ではチャットボットの研究開発に携わり、ユーザーの質問に対して適切に応答するための自然言語処理ロジックの開発を行いました。しかしながら、自然言語処理や機械学習の技術を活用しても、テキストデータのみでは人間のコミュニケーションの全容を理解することは難しいと痛感しました。
ZENKIGENのことを知ったのは、声や表情など複数のモーダルを組み合わせて解析する必要があると感じていた、まさにそんなタイミングでした。面接の動画データから表情、声、テキストを活用して分析を行うサービスを提供しており、私がまさに考えていたことが実現できる会社だと感じました。人と人のコミュニケーションに関する膨大な動画データ量を保有していることに魅力を感じ、私自身としてもテキスト以外の画像や音声といった他モーダルの解析技術を身につけたいという思いもあり、入社を決意しました。
採用における「企業の魅力付け」をAIで最大化する
ー現在の業務内容について教えてください。
現在は、面接官が応募者に「自社の魅力を十分に伝えられているか」を定量化するAIモデルの開発に携わっています。面接を通じて、応募者に自社の魅力や活躍の場を具体的に伝える「アトラクト(魅力付け)」は、その後の内定承諾に影響を与える重要な要素の一つです。しかし、面接官によって伝え方にばらつきがあり、アトラクトが十分にできていないことが課題となっています。
そのため、面接における発言を10種類以上のカテゴリーに分類し、応募者に伝えた内容を定量化・可視化する仕組みを開発しています。このプロセスを通じて、面接の質を向上させると同時に、応募者の内定辞退を防ぐための改善点を明らかにすることを目指しています。
ーAIモデルの開発に携わることの魅力や仕事のおもしろさは、どんなところにありますか?
課題に対してどのような基準を設計すればよいかを試行錯誤する過程はとても難しく、同時に大きなやりがいを感じている部分でもあります。人間のコミュニケーションの解明は正解がないゆえに、チーム内でも議論を重ねたり試行錯誤しながら、最適な指標を追求していく挑戦には大きな魅力があります。開発したモデルが、実際にお客様の価値創出に繋がっていると実感できる瞬間は大きな喜びと達成感を感じます。
専門知識と技術を社内外に還元したい
ーチームで議論を重ねる場面があるとのことでしたが、DSチームのメンバーや全体の雰囲気について教えてください。
DSチームはデータサイエンスだけでなく、宇宙物理を研究していたユニークな経歴を持つマネージャーや、統計学など様々な領域に強みを持つメンバーで構成されています。
お互いの意見や視点を尊重し、それぞれの良さを認識しているので、質問や相談もしやすい雰囲気です。各分野のスペシャリストたちが知識を共有し、より良いものを作るという共通の目標をもって、議論を重ねながら課題解決に取り組んでいます。
ー栗原さんはGenerative AIに関する社内共有会を月に1回実施していただいたり、ご自身のnoteでも発信されていますよね。チーム全体でもZennテックブログやXなどを通じて積極的な発信活動をされていますが、どのようなきっかけでこうした活動を始められたのでしょうか?活動に対する思いもぜひ教えてください。
DSチームとしては「愛知文化(Aichi)」という、アカデミックな知識へのリスペクトや、ワクワクする気持ちをR&D室以外に広めることを推進しており、その一環として発信活動を行っています。メンバーそれぞれが専門領域を持っており、それをチームや社内外に還元していこうという思いをもっています。
「Generative AI最新情報共有会」は、もともと代表の野澤さんが声をかけてくださったのがきっかけで1年半ほど前に始めました。AIテックカンパニーとして、社内外を問わず専門職でなくてもAI技術の知見を深められるように、世の中の流れから、開発された技術、それらが可能にしたことをわかりやすく噛み砕いて共有しています。
これらの発信により、多くの人がAIと奔走することを通して、業務の効率化や生活の充実を達成できたらいいなと思います。
▼栗原さんが月に1回投稿している「Generative AI情報共有会」のnote記事
▼ZENKIGENテックブログ
人と人のコミュニケーションをAIでサポートする
ー今後の展望を教えてください。
人と人のコミュニケーションをAIでサポートできるような未来を作りたいです。
ZENKIGENがVisionに掲げる「人が持つ全ての能力を最大限発揮できる社会」の実現には、あらゆる領域においてコミュニケーションの質を高めることが不可欠だと考えています。面接だけでなく、社内のちょっとした雑談や1on1など、日常のコミュニケーションの場においても、AIがサポートすることで新たなアイディアやモチベーションが生まれるきっかけを提供していきたいと思います。
ー最後に、ZENKIGENに興味を持ってくださっている読者の方へメッセージをお願いします!
ZENKIGENは採用や職場領域のコミュニケーションを扱っていますので、人と人とのコミュニケーションをより良くするサービスやモデルを創ることに興味のある方は、様々なチャレンジができる環境があると思います。
チームメンバーの専門領域の知見と掛け合わせることでご自身の視野を広げることに面白さを感じられる方や、正解のないものに対してワクワクしながらも泥臭く地道に努力できる方と、ぜひ一緒に働けることを楽しみにしています!
インタビュー・文・撮影:ZENKIGEN 広報担当
最後までお読みいただきありがとうございました!
ZENKIGENのデータサイエンティストについては、こちらの社員インタビューもぜひご覧ください。
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