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幸せになりたければ「そこそこ」を目指せ~感応度逓減性~

このシリーズはわたしが学んだヒトの行動について、行動変容と経済学と絡めて(それを行動経済学という)勉強したことをアウトプットをこのnoteで共有していくものです。

子どものころ、お年玉10000円もらっただけでお金持ちになった気分になりませんでしたか?
しかし、今10000円の給料をもらっても、何も思わない、それでお金持ちだと思うことはありません。

お金の価値は変わらないはず(よほどインフラがなければ)、変わったのはわたしたちの感じ方なのです。

この現象を引き起こしている感応度逓減性について例を挙げながら説明します。

感応度逓減性とは

人は富が増えると幸福の度合い(効用)は大きくなるが、富が増えるごとに、そこから得られる幸せは小さくなっていくこと

これはダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーが提唱したプロスペクト理論の応用であり、人は何かを得ることよりも、失うことのほうが過大評価しやすく、そのために適切な評価をするよりも、損失を避ける傾向があります。

感応度低減性

この理論も『行動経済学の逆襲』に例が書かれていました。

貧乏な人が10万ドル手に入れる→大きな喜び
ビルゲイツが10万ドルを手に入れる→気づかないかもしれない

わたしは完全に貧乏な人です。普通に10万ドルもらったらうれしいです。

要は同じだけの利益や損失であってもその母数が大きくなればなるほど感度が鈍くなることです。


文脈が感覚を鈍くする

もしあなたが大富豪の子どもで、お年玉に10000円もらっても、「これだけ?」と思うかもしれません。
この感応度逓減性は結局わたしたちがいるコンテクストによるのかなと調べていて思いました。

参考リンクから以下の例を引用させていただきます。

「1株1000円の株を100株購入後、株価が900円になった場合」と「1株10000円の株を100株購入後、株価が9900円になった場合」では、損失は10000円で同じだが、前者の方を手痛い損失と感じる。

なぜ前者のほうが痛手と思うのか。前者は1000円に対して10%株価が低下し、後者は10000円に対して1%しか株価が低下していません。こうした背景から割合が高い前者に対して損失を感じてしまいます。

逆に儲かった場合、前者の株価が1100円、後者の株価が10100円になっても、前者のほうが嬉しいですよね。同じ100円であるにも関わらず。

感応度逓減はゲームでも適用されていた

最近わたしがハマっているゲームが、クラッシュバンディクーのiPad版です。

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ゲームをクリアすればするほど、主人公クラッシュとその妹ココのスキン(コスチューム)を購入することができるダイヤの石が手に入ります。

最初そのダイヤの石を使って購入できるものは60ダイヤから~と限られていて、次第にその個数も大きくなってきます。

感応度低減性例

ゲームをクリアするたびにダイヤの石がもらえて、最初のほうはすぐに60ダイヤは手に入ってしまいます。それまでの間は1個1個もらえるのが嬉しくて、60ダイヤに到達するのが楽しくなっていました。そしてスキンを購入し、また次の60ダイヤを目指します。

感応度低減性例 2

しかし、60ダイヤで買えるスキンには使える能力に限界があり、100ダイヤ、200ダイヤ、400ダイヤで買えるスキンのほうが、価値が上がるほどによくなっていくことに気づいたのです。

余裕で60ダイヤを取れるようにレベルアップしてしまうと、もはや60ダイヤの価値は薄れてしまっています。
今は200ダイヤを取得することが喜びになっていて、持てば持つほど感覚が変わってくることを実感しました。

あらゆるゲームにはポイントやレベル、コインなどが与えられ、ゲームを進めているという進捗を教えてくれます
ゲームを進めるうえでも徐々にポイントがたまると嬉しいですし、レベルが上がるたびに1ポイントの価値がだんだん上がっていきますよね。

感応度逓減性を利用する

毎日大好きなケーキを食べることは、体には悪いかもしれませんが、食べたいと思ったら食べたらいいんじゃないかなと思っています。
でも実際はしません。
毎日ケーキを食べても、それが幸せにならないと確信しているからです。

さて、そのケーキを食べる頻度を週1にしてみましょう。
1週間に1回のイベントととらえると、その日が楽しみになり、ケーキのおいしさも、毎日食べるおいしさよりも倍増します。

感応度低減性 けーき


感応度逓減性は状況によって感じ方は異なり、例えば富が増えると幸福の度合い(効用)は大きくなるが、富が増えるごとに、そこから得られる幸せは小さくなっていくことを示します。

ゲームなどに応用すると、1ポイントずつ与えていては、その価値はいずれ変わってしまいます。なので、徐々に与えるポイント数を挙げるなどをして、常にユーザーがポイントをもらって嬉しい!と感じさせることも可能かと思います。

しかし利用されるよりも、逆に感応度逓減性を利用して、持ちすぎず常に些細な幸せを味わえるようにコントロールしていきたいですね。

参考文献


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