[ひと口キロク]備えていても、災害は辛いから覚るしかないのか
わたしが住んでいるメキシコのエカテペックというメキシコ州にある街が大雨で大変なことになっている。
そのニュースは同居人が教えてくれた。どうやら情報源はTwitter。ビデオを見るととんでもない洪水になっていた。ビデオにはすごい勢いで流れる水の中から、子どもを抱えた男性が出てくる場面が映し出されていた。
こんなことが同じ州で起こっているなんて、とても遠い世界に感じるけど、明日は自分の身に降りかかってもおかしくない。
2021年9月7日20時頃、微量の地震の揺れを感じて、慌てて外に出た。
近所の住民たちも一斉に外に出ていた。
すぐに揺れは止まったので、安心して家に戻った。
しかしニュースを見ると1時間行ったとこにあるメキシコの首都ではかなりの揺れだったとか。
さらに調べると、ゲレロ州のアカプルコあたりが震源でマグニチュード7の大きな地震があったと。
想像してみる。
わたしには持ち家も、自分の商売もない。
失うものなんてメキシコでは本当にわずかだし、PCとスマホとカードがあれば最悪なんとかなるんじゃないかと思っている。
大雨の影響で洪水になってしまったエカテペック、同様にメキシコシティからも近いので、地震で多少は揺れていたはず。
洪水がきて、地震。
想像してみて欲しい、どれだけ怖いか。
もし、自分が洪水や地震の前日に、お金を貯めて家を買ったとしよう、もしくは自分の商売を始めたとしよう。
しかし、その次の日には全てなくなってしまう。
自分の願望や夢とは違った方向から、何かそれとは全く逆のものがやってくる。
そしてそれは全てを奪い取ってしまう。一瞬で。想像すると怖い。
このことから「もう物は持ちたくない」と同居人に言ったところ、「それは解決策にはならない。この苦痛から慣れる、起きてしまうもんだと割り切るんだ。」と。
もはや「苦からの解放」、つまり覚れということか!!!!
という発見がありました。
その日、すぐにCDMXの地震に関するミームが作られていて、不謹慎にも笑ってしまったし、このトラジェディーをユーモアに変えてしまうメキシコ人の機転の良さ。
感心してしまった。
写真は、散歩しているときに見つけたもの。アイスがべちょってなってて、物語を想像した。きっと落とした人はとても悲しかったに違いない。アイスクリームを故意に落とす人なんていない。