全部君だけ 1
感情を 閉じ込め記す
紙一枚
登録の君 抹消の時
「うたよみん」で
初めて詠んだ歌です
愛犬を亡くし失意の中
役所からのお知らせが‥
愛犬の登録更新か削除か
抑えていた悲しみが
寂しさとなって溢れ出ました
登録削除を一枚の葉書に記入
ただの手続きなのに
君(愛犬)が吾(私)の元から離れた事を実感でした
虹の橋を渡った君
地上の吾は‥まさかのペットロスに
ここらか私の短歌の旅が始まりました
なんとなく『五七五七七』
連作短歌 その一
感情を
閉じ込め記す
紙一枚
登録の君
抹消の時
暗き道
吾まだ行けぬ道
君一人
待ちくたびれて
夜明け逝くなり
どこいるの
暗くて怖い
逝く君の
三十三の咆哮
いまだ木霊す
不意にくる
泪と共に
叫びたし
君の名前を
吾の哀れを
幾万の
涙の粒が
虹となる
元を覆うは
幸せのカケラ
今日はナニ
尾先パタパタ
吾見上げ
お牛(ぎゅう)がイイナ
瞳輝く
白濁の
石を求めて
そっと撫で
見つめし君の
眼差し偲ぶ
雲流れ
夜空の隙間
シリウスに
想い問い掛け
風音を答とす
夜明け前
金星だけを
探し出す
シリウス去る空
君を偲びて
夏夜空
どの星を見て
語ろうか
やっぱりよすわ
蚊に刺されるし
してないよ
浮気じゃないの
事故なのよ
茶飲みの友の
ワンコ抱いたの
またがって
眉間にシワ寄せ
臭い嗅ぐ
誰を抱いたか
バレてるきっと
青空に
浮かんだ雲の
裾の切れ
君の姿
重ねて探す
拾い食い
恐れて君を
注視する
満開の桜
見上げる隙なし
紫陽花を
愛でる暇なく
振り返る
ガマを追う目は
まさに狩人
青晴れの
見上げし空は
気が澄みて
君は急かすが
ゆるりの散歩
耳下げて
尾っぽも下げて
なぜ吾を
リーダーと据えた
家人が妬む
懇願の
呼び声手叩き
遮断して
吾だけに向く
君のセンサー
アスファルト
熱去る夜半
リード張る
夏の散歩は
君と星狩り
丘超えて
沼淵周り
道迷い
Google検索
冒険散歩
ここはどこ
今何時なの
日が暮れる
君のナビには
帰宅ルートなし
胸に抱き
門口に立ち
風を嗅ぐ
老いたる君の
最後の散歩
なぜないの
銀行コンビニ
薬局と
探すの大変
犬パーキング
自転車も
バイクも専用
あるじゃない
一応四駆よ
犬駐車場欲しい
捕まるよ
人間界は
厳罰よ
トイレ出待ちの
小粒ストーカー
尽きる日が
ないと信じた
オデコ撫で
朝のおはよう
宵のおやすみ