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クリント・イーストウッド監督『ジャージー・ボーイズ』人気ミュージシャンの光と影
<作品情報>
「ミリオンダラー・ベイビー」「グラン・トリノ」の名匠クリント・イーストウッド監督が、1960年代に世界的な人気を誇った伝説の米ポップスグループ「ザ・フォー・シーズンズ」と、そのリードボーカルを務めたフランキー・バリの代表曲として知られる「君の瞳に恋してる(Can't Take My Eyes Off You)」の誕生秘話を描いたドラマ。2006年トニー賞でミュージカル作品賞を含む4部門を受賞した、人気ブロードウェイミュージカルを映画化した。アメリカ東部ニュージャージー州の貧しい町に生まれた4人の若者たち。金もコネもない者が町から逃げ出すには、軍隊に入るかギャングになるしかなかったが、彼らには類まれな美声と曲作りの才能があった。4人は息の合った完璧なハーモニーを武器に、スターダムを駆けあがっていく。ミュージカル版にも主演し、トニー賞でミュージカル男優賞を受賞したジョン・ロイド・ヤングが、映画版でも主演を務めた。
2014年製作/134分/G/アメリカ
原題または英題:Jersey Boys
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2014年9月27日
<作品評価>
70点(100点満点)
オススメ度 ★★★★☆
<短評>
おいしい水
アメリカ本国では批評は奮わなかったものの、イーストウッド大好きな日本では高く評価されています。イーストウッド苦手な僕としてはやっぱり本作もそこまで好きにはなれなかったです。
イーストウッドの堅実な演出手腕は評価できますし、フォー・シーズンズの沿革を丁寧に綴ったストーリーテリングもいいと思います。しかしラストの取って付けたようなミュージカルシーンは蛇足だと感じましたし、イーストウッド作品でもこれよりいいのはたくさんあります。イーストウッド作品の中では並の作品ではないかなと思います。
知名度のある役者は彼らのボス的存在を演じたクリストファー・ウォーケンくらい。あとはミュージカルの俳優をそのまま使っているのかな。流石の歌唱と揃ったダンスが見事でした。
流れるような展開力と美しい撮影が素晴らしいです。フォー・シーズンズについてほぼ何も知らなかった僕でも魅了されました。「君の瞳に恋してる」ってこの人の歌だったんだ。知らなかったです。
特に文句がある訳ではないですが、まぁ普通の映画かなぁという印象です。ミュージカル版を観ていないので比較は出来ないですが、丁寧にグループの栄光と転落を描いています。演出や脚本もよく出来ています。ただそれだけかなという感じです。
音楽映画としても普通に楽しめます。流石のイーストウッドクオリティでした。何か欠けていたり穴がある訳ではない。普通に楽しめる作品ですが、全体的に平坦で心躍る瞬間はあまりなかったです。よく出来ている秀作ですがあまり好きではないです。
吉原
日本でも4回(一回は新型コロナウイルスによりコンサート形式に変更)上演されているブロードウェイミュージカルをクリント・イーストウッド監督で映画化した作品です。
誰もが一度は聞いたことのある「君の瞳に恋してる」のフランキー・ヴァリとフォーシーズンズによる名曲の数々とバンド内で生じるいざこざを描いており、王道音楽系映画でありながら、イーストウッドが作り出す「深みのある黒」が特徴の映像で、非常に上品な映画に仕上がっています。
ミュージカルを基盤にした作品ですが、あくまでも「ボヘミアン・ラプソディ」のように、バンドの伝記映画なので、ミュージカル映画が苦手な人でも楽しめる作品だと思います。
<おわりに>
イーストウッド作品でも異色の作品ではないでしょうか。ミュージシャンの光と影を描いた伝記映画です。
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