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読書感想文「世界2.0 メタバースの歩き方と創り方」

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めちゃくちゃ面白かった。
メタバースについて説明をすると見せかけて、世の中の理を説明してくれている印象。
どこにでもあるような考え方ではなく、筆者の独自の考え方、それでいて腹落ちできる考え方を知れて、とても貴重。
なるほど!と感じる。

メタバースに対する熱を感じる。子供が好きなものを語るような。「しっかりとした理論」と「わかりやすい日本語」を手にした子供が、自分の好きなものを熱く語る。
メタバースを理解しようとする過程で、普段の現実世界の理についても理解が深まる。メタバースの作り手としての目線、参加者としての目線、それぞれを意識しながら読むといいかも。

■読んだ後の衝動

スピルバーグの「レディ・プレイヤー1」をみた。
これから「マトリックス」も見直す。
もう一度、この本を読んだ。
お金2.0も購入した。
普段ゲームしないけど、とりあえずswitch買った。

■選んだ理由

ホリエモンチャンネル、日経テレ東大学にて、著者のメタバースに関する説明に熱を感じたことがきっかけ。
メタバースってなんだろう?という疑問に対する答えを期待して、選んだ気がする。

■感想(メタバースの可能性)

メタバースには「シミュレーションをする場」としてのメタバースと、「現実とは異なる新しく生きる世界」としてのメタバースがあるように捉えた。
前者の「シミュレーションをする場」としてのメタバースは、確実に需要がありそうだと思う。その一方で、後者の「現実とは異なる新しく生きる世界」としてのメタバースは、仕掛けが必要だと思った。
ひとつのメタバースが、参加者全員の思い通りになってしまう世界である場合、そこで生きようとは思わないのではないかと考える。
なかなか思い通りにいかない中で「周りの人」や「過去の自分」と比べて、理想の状態に近づくことに、生きる楽しさがあると思うからである。
「やり直しができない」「抜け出せない」「時間経過で劣化する」のような、現実世界にあるような制約が必要だと思う。
いずれも「現実」があって成り立つもの。あくまで主役は「現実」でありそう。

メタバースを「神の民主化」と表現している点が、パワーワード過ぎて、好き。
これは「現実とは異なる新しく生きる世界」としてのメタバースにおける、作り手側の目線であろう。
現実世界と同様、一度入ったら、抜け出せないような、参加者への強制力を生み出せれば、たしかに、神となり得る。
参加者の都合で、簡単に離脱(現実世界や別の仮想世界に移動)できたり、リセットできたりしてしまうと、神ではないし、その世界が発達するとは思えない。
というのも、ヒエラルキーの下層がいなくなると、自分が理想の状態に近いと認識するための比較対象がなくなってしまい、上層の人にとっても楽しくない世界になると思うからだ。

「現実とは異なる新しく生きる世界」としてのメタバースが成り立つには
、食事をしないと死んでしまう、人生の時間が限られている、ピークを過ぎると衰える、というような「制約」があることが一つ。
その「制約」を乗り越えてでも、その世界にいたい。もしくは、いなければいけない。技術的、肉体的、倫理的に「現実世界には存在しないコト」を作ることが一つ。
これらができれば、あとは勝手に、参加者の得意不得意でアイデンティが生まれて、ヒエラルキーが生まれて、ヒエラルキーが循環して、生態系と成していく。

こう考えると、現実世界はうまくできている。

■感想(流行が発生する場所)

「ど真ん中から少しだけずらす」ってのが、しっくりきた。
ないものねだりで、今の状態から、変化することを求めがち。(人はというか、世界はというか、、主語は曖昧のままがよさそう。)
大きな変化だと、相応のパワーが必要で、なかなか流行にはならない。少しの変化で新しい状態になることが心地よく、流行になりやすい。
意図的に流行を作る・乗るには、
・全体を把握する必要がある。
・ど真ん中を捉える必要がある。
・市場(というか集合って表現がよさそう)の変化速度、変化の方向性を捉える必要がある。

↓↓↓こんなイメージ
全体を把握して、真ん中を捉えようとする。
自分ではこの★↓ぐらいが、平均地点かなぁと思った。

実際には、この位置↓が平均。
青い点全部を把握するのが困難だろうし、わかっていても、ど真ん中を捉えるのは難しそうだ。

で、ここから、どのくらいズレたところで、流行が発生するのか。

変化の速度、方向性を見極めないといけない。

規模感が全然違うこともあるのかな。もう無理ゲー。

これが難しいから、「手数を撃って」「長い時間待機する」ことが大事なんだと思う。最後は「運」。

「ど真ん中から少しだけずらす」は、他の場面でも通用する法則のような気がする。
自分の周りで抜き出ている人は、あまりにも突拍子な言動・行動をするというより、基本を押さえておいて、少しズレたことをする人だったりする
。基本をおさえて、周りと同調して信頼を得て、そのうえでズレた言動や行動をして注目を集める。
あとは、そのズレた言動・行動が、周りが納得するものであれば、受け入れられ、周りが変化する。
そうなると、少し先を進んでいたことになる。抜き出ている人となる。

■感想(フロンティアに対する違和感)

仮想空間を、宇宙空間と並ぶフロンティアとしている点については、違和感を感じた。仮想空間を利用した産業や、それにより生まれる社会現象は、とても興味がわく。
ただ、宇宙空間は物理的に存在しているものであるのに対して、仮想空間は存在していないもので、創るものという理解。
宇宙空間には、人には想像できない何かがあるかもしれない。人にとって、必要なもの、不要なもの、楽しいもの、つまらないものでも、受け入れなければならない。おそらく、これがイイ。
一方、仮想空間は、人が創るもので、人が想像できるものであるという限界があると思う。人が創るものであれば、人が必要なもの、楽しいものしか創られないかもしれないし、残らないかもしれない。

宇宙区間と並ぶほどのフロンティアなのか。
もっと、メタバースというものに対する理解が深まったら、読み直したい。

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