R_B < Part 4 (5/7) >
「饗庭が上層部寄りなのは知ってたが……黄丹の腹心だったとはな」
「面識は?」
「俺は名前を知ってる程度だ。実際にツラを合わせてたのは“弟”のほうだろう。最後の頃はソイツと一緒に解読班に入っていた筈だ」
「そうか」
意識が戻った仁は、馴染みのある病室にいた。
ベッドサイドには、初対面の時のように自分を見下ろす檜皮と白群。デジャブかと勘違いしそうになり、そんな自身の思考になぜか笑いがこみ上げた。つられるように檜皮が苦笑し……そこから今回の件の説明を求められ、今に至る。