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草創肇希
2022年7月7日 23:49
その電車は銀河を走っていた。具体的には地球から、終点である南十字座まで。 通常の電車は観光地や市役所等、意味のある場所に駅を設けるものであるが、何せ宇宙はとても広く「意味」のある場所などそうそうないので、天のレールは地球から南十字座までほぼまっすぐに引かれていた。 天の川の星々をバラストに、彗星の冷ややかな尾をレールにしている以外、何の変哲もないその電車は、客を遠い別世界へと連れていくこと