2024年7月期 夏ドラマ 降り積もれ孤独な死よ

日テレ GP帯 日曜ドラマ
『降り積もれ孤独な死よ』
主演/成田凌 吉川愛 小日向文世 他

同名コミック原作、序盤のみ既読。
昔アプリで無料だったのと絵柄がキレイなので読んでみたのですが、猟奇的な話は苦手なので1〜2話目でやめてしまいました。
正直言って日曜の夜は明るいドラマを見て就寝したい私はかなり悩みましたが、吉川愛ちゃんも出ているし、初回だけ見てみようとほぼ離脱覚悟で視聴を決めました。
 
結局、最終回まで見てしまいました。面白かったんです、本当に。今期『ブラックペアン2』と共に日曜日が楽しみになる程とてもいいドラマでした。

13人の子供の白骨死体が見つかった灰川邸事件から始まる物語、ダークな感じです。それでも見続けたのは、キャストがとても魅力的だったのと、ドラマの雰囲気がものすごく原作に寄り添ったものだったのに心ひかれたからです。

いかにも主人公な成田凌さんの冴木はそのままイメージピッタリだったし、原作とはかなりビジュアルが違いますが、吉川愛ちゃんの花音も、ふわふわしてるけれど意味ありげで、ピュアな感じなのにどこか油断ならない雰囲気がすごく魅力的でした。

確か原作にいない女警部補(黒木メイサ)意表をつかれたまさかの鈴木巡査(佐藤大樹/FANTASTICS)冴木の弟の蒼佑(萩原利久)皆良かったです。何より一番怪しげな灰川十三(小日向文世)はすごく存在感ありましたね。

ストーリーは、本来考察系が苦手なポンコツの私では結構見落とした伏線もあると思います。
それでも楽しめたのは、まだまだ先があるのに終盤までとっておかなくていいのか?!と言う様なクライマックスが毎回あるので、飽きませんでした。 
なお且つちゃんと次回が気になる新たな種を蒔いておいてくれるので、本当に目が離せないドラマとなりました。

虐待や暴力の連鎖とか嫌になる様な重苦しいテーマを掲げたドラマだったけれど、最後には、大切な相手を守りたいという気持ちも連鎖するという明るい未来を感じさせる終わり方がとても良かったです。

ほのかな恋心を抱いていた冴木と花音が手をとって去っていくエンディングが感動的でした。
 
「13人の子供の白骨遺体が見つかった云々」という思わず見る前からドン引きしてしまいそうなイントロ、公式SNSの宣伝も地味だし(でもこのドラマで前クールの『アクマゲーム』みたいにキャストがキャッキャとゲームを楽しむ動画とかアップされたら興ざめだったかもしれない)テーマも虐待や暴力の連鎖という重たいもので、途中参戦が難しいストーリーだったのもあり、視聴者を選ぶドラマではあったかもしれない、数字が結果に結びつかなかったのが残念なところです。

けれど視聴率がイマイチでも、一見話題性が弱いと思われていても、ちゃんと見たヒトの満足感は高いドラマってありますよね。意外なところで面白かったドラマのランキング入りしていたり、見た方の感想が概ね好意的なモノばかりだったり。
今期でいうと、この『降り積もれ孤独な死よ』とか『しょせん他人事ですから』とかは確実にそういう良質なドラマだったと思います。

原作が未完なこともあり、始めから原作改変を余儀なくされたドラマ作りとなった『降り積もれ孤独な死よ』ですが原作者が絶賛する程、良い改変をした理想的な実写化と言えるのではないでしょうか。 原作のテイストを損なわず、オリジナル要素も楽しかった素晴らしい脚本でした。
(『南くんが恋人』『GO HOME』の脚本家はガチで猛省して見習って下さい)
 
これだけ素晴らしいドラマを作れるんだから、いい加減「原作付きドラマ」というだけで日テレ叩くのは、本当にやめましょうよとか思います。

劇場版とかWOWOWみたいなハイクオリティな雰囲気のドラマだったなあ。脚本も演出もキャストも音楽も全部良かったー!こういうジャンルは苦手なのに毎週本当に楽しかったです。

それにしても今年4クール連続ドラマ出演の吉川愛ちゃん、大好きなんですが『マルス−ゼロの革命−』『街並み照らすヤツら』『マイダイアリー』と視聴率爆死ドラマばかりなのが哀しい〜。(マルスと街並みは私、好きですけどね)

それ言ったらいつ出てくるか、もしや真犯人と思いきや、健流(杢代和人/原因は自分にある。)が既にお亡くなりになっていてお気の毒でした。
 



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