2024年10月期 秋ドラマ 高杉さん家のおべんとう

日テレ 水曜プラチナイト 深夜帯
『高杉さん家のおべんとう』
出演/小山慶一郎(NEWS) 平澤宏々路
バーター出演/木村来士(ジュニア)

同名コミック原作、原作未読。
「全話ほっこり」というハッシュタグにつられて事前から絶対見ようと決めていたドラマです。今まで見て来たテレ東の「ドラマNEXT」枠と重なるのですが新ドラマ枠のこちらを取りました。

最終回を見ての感想は惜しいドラマだったと思いました。未読なので断言できませんが、多分かなり原作に忠実に作ったと思うんです。だけどそれが仇となってしまったかなという感じです。ラストは肩すかしで終わってしまったような気分になりました。

独身・彼女無し、地理学研究で生計を立てるため奮闘中のハル(小山慶一郎)の元に叔母の娘である親を亡くした久留里(平澤宏々路)がやって来ます。ハルは久留里の未成年後見人となる事に。そして全力空回り男のハルと無口で節約家の久留里、不器用な二人の生活が始まります。

それから友達一人いなかった久留里に「天使の笑顔の君」丸宮光(木村来士)ハルの同僚・香山玲子の娘のなつ希(並木彩華)という学友が出来ました。

久留里とハル、久留里と学友二人との距離がおべんとうをきっかけに縮まってゆきます。

やっぱり20分枠では限界があるので、この場合は脚本で思い切って原作改変というか、エピソードを「ハルと久留里の高杉家」と「久留里と学友の学校生活」に絞って、メインテーマのおべんとうによって保護者のハルや友達との交流が深まるところにスポットを当てて、他は削ぎ落としてしまった方が良かったと思います。

ハルの地理学研究者としてのアレコレを詰めんだ為に一番肝心な「おべんとうによるほっこり」がぼやけて薄まってしまった感があるのです。

「2014年 日本地理学賞」を授賞した原作ですが、それでドラマ化した訳では無さそうだし、地理学のエピソードは思い切ってバッサリカットしてしまった方がドラマとしてスッキリしました。

ほぼ毎度出て来る「ハルが他理学を生徒に教える場面」「フィールドワークで岐阜の串原に行って老夫婦に雑談して色々お裾分けしてもらうパート」はもう諦めて、同僚の小坂さんがハルに恋心を抱くのも無し!(結局、原作にあったから入れたのであろうこのエピソードは最終回で唐突に、小坂さんが久留里を待ち伏せてハルへの恋心を告白するだけの訳の分からないマウント取りになってしまったので本当に余計でした)
あと「天使の笑顔の君」の久留里への付き合ってください宣言も無し!(これも進展させる尺が無いまま宙ぶらりんになってしまったので余計でした)

20分でドラマを作るのは難しいですね。『晩酌の流儀』みたいな話は逆に30分要らないかなと言う感じでしたけど、原作通りにストーリーを進めるには時間が足り無い印象です。要素が多すぎて予想よりはほっこり出来ず残念でした。

ドラマ初主演のNEWS小山さんは良かったですよ。人はいいし一生懸命だけど、いかにも要領悪い空回り男でした。平澤さんもじれったいくらい無口で不器用な久留里を好演していました。
個人的には「天使の笑顔の君」の木村くんがすごく良かったです。まだかなり幼い顔なので、特にイケメンとかキラキラ可愛いとかではないのですが(失礼)ニコニコしているだけで無邪気な人柄の良さが滲み出ていて、久留里と会話しているだけでほっこりしました。

余談ですが公式SNSで、平澤宏々路さんと木村来士くんの17歳の誕生日を祝う動画がポストされましたが、実際の高校生ってまだこんなに幼いんだなあと驚きです。
(これを見ると『先生さようなら』の渡辺翔太や『95』の関口メンディー『若草物語』の堀田真由の高校生役は完全にコスプレだよなあと苦笑しました)

話がそれましたが公式SNSも撮影裏のメイキング動画やオフショットをすごくまめに投稿してたし、演者さんも頑張っていただけに、あと一歩足りない惜しいドラマだったと思います。あたたかなお話だと思うし飯テロ要素もある楽しいドラマになったと思うんだけどなあ。

原作に忠実だから良いとも限らない、二次元を三次元の実写化するにはドラマ向けにする為ある程度の改変は必要だと感じました。

(でも原作者さんはこのドラマ大好き!と絶賛しておられたのでこれて良かったのかなあ?)

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