アンサンブル 第1話 キャスティング頼みの視聴率重視な残念ドラマ
2025年 冬ドラマ 日テレ 土ドラ10
『アンサンブル』
昨年見た『西園寺さんは家事をしない』『ノッキンオン・ロックドドア』の松村北斗の出演に期待をして視聴する事に。次クールから移動により音楽番組枠となる土ドラ10の意地を見せてくれるのか?
結果『アンサンブル』を見て、前クールで特長のないリーガル物だと思っていた『モンスター』はきちんと面白かったんだなあと思いました、反省。有能な趣里さんとポンコツジェシーは楽しいバディであったし。
「ぶつかる、だから響きあう。
法廷から始まるリーガルラブストーリー」
イントロからして変にポエマーチックで微妙です。
恋愛×リーガルを謳った本作ですがまず恋愛パートが酷い事この上ない。特定の恋愛ドラマ好き(某Silentとか)の主演女優ファンに媚びた演出と脚本にげんなりしました。
ヒロイン瀬奈の「踏切の音にトラウマ持ち」は理由があまりにも弱すぎます。過去に踏切事故で怪我をした経験があるとか、近親者や恋人を失ったとかなら理解できます。かなり苦しいけど百歩譲って一方的に恋人に捨てられた時に踏切の音が響いていたとしても許します。でもこの瀬奈は自分からライン無視しまくった挙げ句、振られるべくして振られたというか、相手からしたら瀬奈が振ったと思っているかもしれない状況でトラウマ?謎でしかない。制作側はどうしても可哀想なヒロインを作りたかったんでしょうねえ。
そして「雪の降り始めが好き」という陳腐な殺し文句でこのドラマへの期待は潰えました。
松村演じる真戸原は、貧相なヒロインを魅力的に見せるだけの存在でしかなく哀れですらあります。見栄えが良いだけの夢見がちで地頭の良くないトンデモ勘違い男が、必要も無く式場でタキシードに着替えるシーンは完全に阿呆丸出しである意味見ものです。(ファンサービスとしてなら格好良くて眼福だけれど、これぶっこんだお陰でもともとグダグダなストーリー展開が壊滅しました)この見せ場?を作る為に唐突にヒロインに協力を求め嘘が苦手だの何だの苦しい言い訳をしながら恋人の振りをしてもらい協会へ乗り込む無理矢理クソ展開。ああ、松村北斗、無駄遣いされて本当に可哀想。
裁判パートも要らないのではないかと思うくらいどうでもいい裁判でしたね。(普通はこれ、せいぜい調停レベルで裁判にすると言ったら止められそうな案件だと思います)
結婚を考えた相手の過去に逮捕歴があって、それを隠していただけでもかなり無理だと思うんですけれど、ひったくり事件により暗闇が苦手になるくらいトラウマを負った有彩(こちらは瀬奈と違って本当のトラウマ)の加害者が相手だったとかもう絶対無理ゲー過ぎますよ。それを真実を明らかにしてカップルとしてまとめようなんて瀬奈も真戸原も依頼人に寄り添う気ゼロじゃないですか。
有彩もそれだけ酷い目に合わされても許せて愛しているなら構わないですけど痴話喧嘩に裁判所を巻き込むなよ、これでリーガル物とかいっちゃうこのドラマの行く末がお察し案件なんですが大丈夫そう?初回で2回もトラウマとか使ってお手軽にドラマティック演出したと思ってるのもかなり痛いけど本当に大丈夫そう?脚本家3人もいらっしゃるのに本当に話し合った?みんなこれでいいって思ったの?脚本以外のスタッフも面白いドラマになるって納得できたの?
(ちなみに脚本は『さっちゃん、僕は。』他、國吉咲貴氏、『院内警察』諸橋隼人氏、『婚活1000本ノック』ニシオカ・ト・ニール氏、演出は『かぐや様は告らせたい』の河合勇人氏だそうです)
終盤、瀬奈の耳をふさぐ真戸原のシーンは制作陣の媚びと甘えしか感じられない迷シーン(誤字にあらず)だったけれど、予告なんか見てもこの路線でグイグイひと昔前の恋愛ドラマにオマケのような裁判が付いて進んでいく予感がします。
年齢合わなそうなキャストもチグハグ感が否めませんが「取り敢えず数字の取れそうなキャスト」という一点において、当て馬の田中圭起用は正しいのでしょう。川口春奈、松村北斗、田中圭、の三角関係と脇に光石研、瀬戸朝香、長濱ねる、戸塚純貴、キャストで数字取ろうという意欲しか感じられないドラマだなあ。ドラマを面白くしようという意気込みは伝わってきませんね。途中からMEGUMIとか野呂佳代が出てきても驚かない、きっと。
正直結構しんどいですが気力と体力が残っていたら第2話も視聴してみようと思います。(もう前クールの『若草物型』みたいな立ち位置のドラマとして1クール付き合うかもしれないっていうスタンスで見る事になりそうだけど、これで終わりにしたい気もします)
最後に全くの余談。
最初『アンサンブル』が情報公開された写真を見て違和感があったんです。それは顔の大きさでした。松村北斗さんより川口春奈さんの方が明らかに顔が大きかったんです。
たまたま写り具合かと思ったけれど、後に動画等公開されてもやっぱり顔が大きい。違和感の正体がわかってスッキリしましたが、その後はもう共演者と川口春奈の顔の大きさが気になって気になって誰かと同じ画角に入るたび比べっ子してしまいドラマに集中できませんでした。内容スッカスカのドラマで良かった笑。