ホットスポット 第1話 退屈な会話劇の開幕

情報入って来てまず最初に思いました。「地元系エイリアン・ヒューマン・コメディー」と聞いて「うわぁ、超面白そう、めっちゃ楽しみ〜!」って方がどれ程いらっしゃるんですかね?
あらすじも41歳のシンママと宇宙人がどうたら何やら寒そうだし、キャストも主演からして地味だし。

『ブラッシュアップライフ』はそこそこヒットしたらしいですけど、続編やSPドラマ、劇場版になったとか、DVD&Blu-rayがクソ売れまくったと言う話は聞かないですし、例えばVIVANTみたいに社会現象になる程のヒットではないあたりお察し案件かなあと。

門外漢が書いてもビギナーズ・ラックってあると思うんです。よく俳優や芸人が映画撮ったり書籍出したりすると1作目はそこそこ当たったり賞とったりする事、結構あるじゃないですか。(ブラッシュアップ以外にもバカリズム氏は単発でドラマ脚本書いてるらしいけれど、特別噂に上る程では無かったようだしエンカウントとします)

個人的に芸人バカリズム氏を面白いと思った事が無いんだよなあ。家事ヤロウも好きじゃないし、俳優としても(私は見ていないけど)昨年イップス爆死していたし、今度は脚本家ねえ。

でも私、意外と素直なところがありまして。公式の下記のポスト「来年の日曜は、きっと『楽しい日曜』になりますよ」と言うのを見まして、そうか、楽しい日曜になるなら見てみるかと思いました。

初っ端から、うーん、タオル持ち帰ったら普通もう放っておかないんだけどなあ。東野圭吾の「マスカレードシリーズ」みたいにちゃんと調べて書いてないんかなあとガッカリしました。残念な予感です。特殊な舞台でそういう細部を蔑ろにされた作品は期待できない気がします。

それに芸人脚本のせいか、コントの脚本みたいで、殆ど会話劇と言う感じでセリフがやたら多い。それでいて会話内容が全く面白くない。

会話劇風だと例えば『ミステリと言う勿れ』。
主人公の久能整くんの独り語りの内容が面白い上に、演出も冴えていて、彼の自分語りが始まるとバックにクラシックがかかってうまいこと盛り上げてくれるから、視聴者を置いてきぼりにしないし、菅田将暉さんの演技がまた工夫をこらしてくれて退屈させません。
それに比べると、本作は平凡な日常会話を詰め込んでるだけだから退屈だし(脚本家自ら他愛ない会話と言っているのになんの工夫もしていない)、市川さんが主演経験がないせいもあるのか演技でカバーも全然出来ていない。それどころか会話以外のヒロインの心理描写のナレーションも多いけれど、それが不慣れなぎこちなさを感じさせるので説明的に聞こえてしまいノイズでしかない。

ホテルのフロントでの会話劇も、幼馴染たちとのパフェ食べながらの会話劇も面白みがない点は同様で、それもぶっちゃけオバサンばかりで絵面に華が無いのも本当に見ていて視覚的にも退屈です。
昨年の『ギーグス』も女性3人の会話がキモなのに、その肝心の会話内容が面白くなくて失敗していたけれど、まだ画面に華があるだけマシでした。(それに『ギーグス』では会話劇パートは酒場だけだったので傷も浅かったです)

宇宙人も何だかねえ、なぜ宇宙人にしちゃったかなあ、奇をてらっただけになっちゃったねえ、もう失敗しちゃいました展行きでしか無いんですよ! 

宇宙人の髙橋は存在を内緒にしたいと言いつつ、何とか人間じゃないと信じてもらおうとしたりキャラ設定がブレブレです。だいたい宇宙人高橋のキャラが面白くも魅力的でも無いから存在意義が意味不明です。(いわゆる宇宙人的な宇宙人を避けたかったんでしょうけど、それだと結局宇宙人にした意味が無くなる訳ですよ)

それも宇宙人とヒロインの会話も同じこと繰り返したり、コントの手法をとっているのに演者が芸人演技ではないから(宇宙人は芸人を起用しているけど、コント的な演技はしていない)ドラマとしてみるとしつこく滑っている感が否めません。笑わせようとしているところが全部滑っていることにバカリズム気づいてる?大丈夫?

全体的に会話に魅力がない上に、登場人物も魅力が無くて、演者にも魅力が無いので、相乗効果で本当にどうにも面白くない。結果的にはっきり言って脚本家の自己満足的なセリフの羅列がうざったいだけの代物になってしまいました。意図的にではなく、エピソードで見せず会話でドラマを進めようとするあたりが素人の書いた脚本だなあという感じです。テレビの向こう側に居る視聴率の存在を忘れていて、残念ながら見る物を楽しませようという気概が無いように思えます。

エイリアン・ヒューマン・コメディーって言われても、ヒューマン的感動もクスクス笑えるコメディ要素もどこを探しても見つかりませんでした。話の内容が無さ過ぎる。

宇宙人が、本人が宇宙人だと思い込んでるだけのイカれた一般人だったらワンチャン有りだったかもしれない、それでも脚本に相当の力量が必要だと思いますので難易度高いですが〜。
そんなに脚本家なさりたいなら芸人をお辞めになって、我人祥太さんみたいに脚本で頑張ってみてはいかがでしょう。バラエティや俳優業の片手間にやられてつまらないドラマ見せられる方はたまったもんじゃありませんので。

半ば予想してたとはいえ、言わせてもらいます。
嘘つき〜!!全然楽しい日曜になっていないんですけど!!(「日曜劇場」が面白くて楽しい日曜になったら受けるなあ。そっちに期待しましょうか)

なんだか近所のオバサンに押しかけられて一方的に近所の噂話やら家庭の愚痴やら聞かされたような気分になった1時間でした。勘弁して!!私の楽しみを返せよ!!





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