好きなシリーズもの映画レビュー ミッション:インポッシブル(1996〜継続中)
どうも。
シリーズもの好きのoilです。
シリーズ物映画って途中から入りづらいですよね。
っということで、今夜はミッション:インポッシブルシリーズの個人的レビューをやりたいと思います。
せっかくめちゃくちゃ面白いので、抵抗を覚えずMIシリーズに入って欲しいっていうのと、それにかこつけてただ単に好きな映画の感想を語りたい、という僕の思いやりと自分勝手さが炸裂した記事です。
長いですがもし気が向いたら見て頂けると嬉しいです。
それではスタート。
ミッション:インポッシブル
公開日:1996.5.22(日本公開1996.7.13)
評価:75点
シリーズ第1作。
まさかこの後25年以上も続くとは、製作陣すら誰も思ってなかったんじゃないだろうか。
監督は「スカーフェイス」や「アンタッチャブル」の名匠ブライアン・デ・パルマ。
裏切りや騙しが交錯する緊迫したストーリー展開に、彼をチョイスしたことはハマっていたように思える。
トムのアクションは現在ほど命知らずではなく、作品全体としてもどちらかというとサスペンス要素が強い。ある意味、シリーズで一番スパイ映画っぽい作品…まあ、スパイ映画のシリーズだから当たり前だけど。
続編のアクションシーンが凄まじすぎるせいで比べるとどうしても地味な印象なりがちだけど、超有名な宙吊りシーンや中盤の水槽爆破シーンなど、見所も多し。
何より、若くて勢い溢れるトムのイケメンっぷりが見どころ。
ミッション:インポッシブル2
公開日:2000.5.24(日本公開2000.7.8)
評価:40点
監督に「男たちの挽歌」シリーズや「フェイス・オフ」のジョン・ウーを迎え、大味なアクション作に路線変更。
しかし、男前全盛期なトムと外連味たっぷりのジョン・ウー演出の食い合わせがイマイチで、出来の悪いトムのPVを観せられているような気分になる。
スローモーションやジョン・ウー節とも言える鳩の演出が余計この印象に拍車をかけるんですよね。
また、メインの登場人物のほとんどが色ボケしており、ストーリーの整合性が取れていないところも目立つ。
見所は不要に体を張ったトムのアクションシーンぐらいなんですが、その他は観るのが結構キツい作品。よくここから盛り返したよなぁ。
ミッション:インポッシブル3
公開日:2006.5.5(日本公開2006.7.8)
評価:75点
今やハリウッド屈指のヒットメーカーとなったJJ・エイブラハムズの初長編映画監督作。
アジア風アクションに移行し迷走していた本シリーズに、JJはチームワークの強調、エンタメ性の強化という2つのスパイスを加味。
この戦略が功を奏し、1・2作目と比べ王道ハリウッドアクション風味が強くなり、非常に観やすい印象となった。
ただ、明らかに隙があるのに銃撃してこない都合の良い敵や終盤の不自然に強すぎるイーサンの嫁・ジュリア(一般人)、一度死んだ後都合よく息を吹き返すイーサン等、大味になった展開やご都合主義な部分も散見される。
しかし、シリーズの間口を広げ今後の方向性を指し示した極めて重要な作品である。
ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
公開日:2011.12.16
評価:85点
シリーズもので4作目から面白くなった映画って僕の知る限りMIだけな気がする。
アクションの激しさ、ストーリーの面白さ、絵的な華やかさと、4作目にしてついに全てのピースが揃う。
「Mr.インクレディブル」シリーズや「レミーのおいしいレストラン」のブラッド・バードが、実写初監督にも関わらずそれを感じさせない巧みな演出で冒頭の脱獄シークエンス、プロジェクターを使って警備の目をかわすクレムリン潜入、病院からの脱走劇を迫力たっぷりに描き出す。
中盤のブルジュ・カリファをイーサンがクライミングするシーンでは、リアルアクションを追求するトム・クルーズの姿勢の最たるものが見られる。
これをスタントなしでやっちゃうのはマジで頭おかしい(褒めてる)。
高い戦闘力を持つブラント(ジェレミー・レナー)とイーサンのキャラが食い合うかと思ったが、彼がいることストーリー展開の幅が広がった気がする。
ラストは「トイ・ストーリー2」も真っ青なバッゲージ追跡劇と「サマーウォーズ」顔負けのミサイル起爆阻止で、最後の最後までエンタメど真ん中をいく。
ジュリアを遠くから見守るイーサンを見せるEDは実にロマンティックだし、今後別ヒロインが登場しても不自然じゃないうまい終わらせ方。
ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション
公開日:2015.7.31
評価:92点
個人的にはシリーズ最高傑作。
この作品はとにかくOPですよ。
今まで観てきた映画全部通しても、これよりテンション上がるOPってそうないと思う。
ピンチにテーマ曲と共に登場する主人公って一歩間違えたらコントになりかねないんですが、圧倒的なスター性でカッコいいシーンに仕上げるトムはさすが。このシークエンスを映画の頭に持ってくるのもセンス良し。
監督を務めたのは「ユージュアル・サスペクツ」や「X-men」等脚本家としての実績が多いクリストファー・マッカリー。アクションシーンに合わせて脚本を調整する必要がある本作には最もマッチした人選だったのかもしれない。
新キャラのヒロイン・イルサ(レベッカ・ファーガソン)と悪役レーン(ショーン・ハリス)のキャスティングもバッチリ。
レベッカ・ファーガソンは若過ぎないけど美しくてトムとの画的なバランスも良いし、30代半ばの女性でここまで動ける人はあんまりいないでしょう。
ショーン・ハリスはフリーザみたいな声質が冷酷なキャラ立ちにもベストマッチで◎。
そして、トムの命がけアクションもさらなる高次元へ。
中盤の見所はシリーズ初となる水中アクション。
この撮影でトムは6分以上も息を止めていたらしい。ほぼ魚じゃん。
その直後には息つく間もなく変態的なドライブテクニックを披露と見所満載。
これだけイケイケの映画なのに、ラストはアナログな手法で勝利を収めるのも超クール。イーサンの「我々がIMFだ」て言うシーン、たまんねえです。
ブラントの戦闘シーンがほぼなかったのが残念だけど、イーサン、イルサと強いのが3人もいると戦わすだけで時間食うし、こんぐらいでよかったのかも。次作は本業(?)の弓の人とスケジュールが被って出てこないしね。
ミッション:インポッシブル/フォールアウト
公開日:2018.7.27(日本公開2018.8.3)
評価:92点
ジェレミー・レナーを除いた主要キャスト、そして監督のクリストファー・マッカリーも続投という鉄壁の布陣で製作した第6作。
レーンとイルサ、悪役・ヒロインが2作連投となるのはシリーズ史上初。
新キャラ・ウォーカーを演じるのはスーパーマンこと(?)ヘンリー・カヴィル。
本作の敵役…のはずなんだけど、序盤のパラシュートで意識を飛ばしてたり、トイレで戦ってるシーンでジャケット脱いで筋肉見せつけた割にはあっけなくやられる、イーサンを敵だと思わせる作戦もあっさり裏をかかれたりと、本当に腕利きなのか疑問が残る。というか脳筋にしか見えない。
彼のキャラクターが物語から著しく緊張感を奪っている気はするが、白眉の出来であるOPのハッタリや中盤の入れ替わりトリックに加え、元嫁のジュリアまで引っ張り出した物語のスケール感でなんとかカバー。
今作のトムのアクションはノースタントを貫いてきたこのシリーズでも最終進化系とも言える内容で、これを超えるのはちょっと無理なんじゃないかと思ってしまうレベル。
106回ものリハをこなし実現したヘイロージャンプ、
トイレでのオラオラ肉弾戦(アジア人のおっさんが強すぎるのが笑える)
パルクールを取り入れたトム走り。
このシーンの撮影ではトムはマジで骨折し、痛がってるのは演技じゃないらしい。あぶねーよ!
そしてヘリの積荷しがみつきからの、トム本人の運転によるヘリのきりもみ飛行。
撮影のためにヘリをガチで操縦する俳優を僕は彼以外に知らない。
このように15分に一回ぐらいは目を奪われるような見せ場が登場するため、こっちもついていくのに精一杯。
本作の副題である「フォールアウト」には「放射性降下物」「副産物」「予期せぬ余波」という意味があり、これまでイーサンがこなしたミッションが今回の事件に繋がっていることを表現している。
イーサンがそれにどう立ち向かい、元妻・ジュリアをはじめとした人物はそのことをどう受け止めるか、というのが本作の大きなテーマである。
イーサンが自らの過去と向き合うというテーマ性と圧倒的なアクション、その2つを描こうとするあまり脚本の緻密さは4、5作目より若干劣る印象。
しかし、劇場で観るアクション映画としてのスリリングさや盛り上がりはシリーズでも群を抜いており、全体としては「ローグ・ネイション」にも劣らない傑作。
次作ではブラントの復帰を願うが、どうなるか。
撮影中にトムが無茶しすぎないことを祈る。