ドラマ「silent」と映画「ワンダー 君は太陽」の共通点
皆さんドラマ「silent」はご覧になっていらっしゃるでしょうか。
ミーハー街道ど真ん中を征く僕は余裕で毎週観ています。
いやーしかし面白いですよね。
主人公カップルだけじゃなく、周りにスポットを当てていく構成が日本のドラマっぽくない。
個人的に、「silent」を観てると思い出される作品がありまして。
それが、2017年公開の映画「ワンダー 君は太陽」です。
これがどういった話かと言いますと。
主人公は病気が原因で顔の形が変形してしまった少年。
27回の手術を受け、長らく入退院を繰り返していましたが容態が安定し学校に通うようになります。
最初はクラスメートたちにいじめられふさぎこんでしまう主人公ですが、家族に支えられながら懸命に学校生活に馴染もうとする。
やがて、話のスポットは彼を取り巻く人たちに移っていく…
まあ、ここまでだけだと何が似てるねんって話なんですけど。
最後の部分ですね。話のスポットを主人公以外にも当てていく、というところ。
「ワンダー 君は太陽」では、最初は主人公であるオギー視点の話が始まる。
でも、途中で狂言回しが移行していくわけです。
オギーの姉や、オギーの初めての友達となる同級生…彼ら視点の話も展開されていきます。
良くも悪くも注目されてしまう主人公のオギーですが、時にそれが良く作用することもあります。
両親がしっかり支えてくれたり、学校の先生も気を遣ってくれたり。
でも、彼の姉や同級生はどうでしょうか。
一見何も困ってなさそうに見えるだけで、人は誰しも悩みを抱えている。
見た目でわかる悩みも、人から見たら見えない悩みもある。それを教えてくれる作品なわけですけど。
「silent」も、この見せ方が非常に似ていて。
聴力を失ってしまった想の回想を追っていくシーンはあるけども、物語のメインは彼を忘れられなかった紬ちゃんにいったり、彼女を3年間支え続けた奏斗くんにいったり、想くんを陰ながら想っていた奈々にいったり。
障害を抱えてしまった主人公だけでなく、その周りの人物にもスポットを当てていく。
想には”耳が聞こえない”という誰にでもわかる悩みがあって、その辛さは計り知れないはず。
でも、「silent」は他の悩みを抱えた人のことも丁寧に描写していく。
障碍はあくまで一つの大きな悩みで、健常者にだって同じぐらい大きな悩みがある。
そこを平等に描いていることが、この作品が評価されている理由のひとつなんじゃないかと思うわけです。
「ワンダー 君は太陽」も非常に良い作品なので、興味がある方はぜひ観てほしいです。