見出し画像

ガチファンによる実写版「るろうに剣心」シリーズの超絶アクション紹介

いよいよ完結編「The Final」の公開まで10日を切った。

本記事では、実写版「るろうに剣心」シリーズのアクションシーンを多分スタッフの次に多く本シリーズを観ている私が解説
シリーズを観ている人には改めてこの作品のアクションのすごさを再確認してほしいし、そうでない人にが是非この映画のアクションのクオリティの高さを知ってほしい。

①観柳邸でのドリフト走行【1作目】

1作目のハイライト。
恵(蒼井優)を救うため、悪徳武器商人・武田観柳(香川照之)の館に乗り込む剣心と左之助(青木崇高)。
観柳の用心棒200人と戦う最中で、剣心が見せたのがこのドリフト走行だ。

通常ではあり得ない角度に体を倒しながら、転倒することなく走り抜ける。
この動きを可能にしたのは、ワイヤーアクションに加えホームセンターで売られているスパイク型の地下足袋(4000円)だという。

もちろんワイヤーと地下足袋が大きな役割を果たしているとは言え、実際に重力に逆らって走っているのは剣心を演じた佐藤健
ドリフト走りが終わった直後の身のこなしにキレがあり、「こいつなら本当にこの動きできるかも…」と思わせるのは彼の身体能力なしには不可能。
剣心の超人的身体能力をワンカットで表現した名シーン。


②剣心vs外印(綾野剛)終盤の動き【1作目】

佐藤健と綾野剛、類稀なる運動神経を持つ若手俳優同士のガチバトル。
冗談抜きで剣線が見えないレベルだし、剣心が逆手に構えた逆刃刀で外印の攻撃を捌き柄で相手を打つ、片手でバランスを取った状態で相手の脚を狙う決めの攻撃など、動きのカッコよさは本作内でも随一

該当部分は上動画の3:06〜部分。
強敵も本気を出した剣心に歯が立たない、というシチュエーションも激アツである。


③新月村でのバトル【2作目・京都大火篇】

1対多数の殺陣シーンにおいては、おそらく3部作の中でこのシーンが最もハイレベル。
1:27〜からの予定調和ではなく実際に攻撃を避けているようにしか見えない動き、1:33〜からの一人の敵を一瞬で3回打つ連撃、2:15〜からの足で相手のバランスを崩しつつ相手を仕留める動きまで、見所満載。

剣心の振るう刀・逆刃刀は反りの腹側に峰がくる特殊な刀。つまり、通常攻撃が峰打ちになるので、殺傷力に乏しい。
だからこそ、剣心の攻撃は基本的に連続攻撃を加えることで相手を戦闘不能にする、というものになる。
このアクションはそれが実にわかりやすく表現されていて、よく見ると剣心が一人の敵に細かい攻撃をたくさんいれていることがよくわかる。
「るろ剣」のアクションは、きちんとキャラの個性にあった戦闘スタイルが確立されているのだ。


④蒼紫(伊勢谷友介)vs翁(田中泯)【2作目・京都大火篇】

37歳・伊勢谷友介vs69歳・田中泯による年齢差32歳の超絶アクション。
このシーンの田中泯の動きはどう考えても70歳近い人間の動きではない。
01:33〜頃の飛び蹴りなんてイかれてるレベル。
翁が原作通りトンファーを使うのも燃えるし、このトンファーが登場するシーンの巻物をその場で書いたという美術部スタッフの仕事も最高にクールである。

翁へのトドメに使用した蒼紫の必殺技・回天剣舞六連も必見。
原作ではどんな動きなのかイマイチ判然としない技を非常にうまく映像化している。

ちなみに、このシーンで翁を演じた田中泯が殺陣をちょっと忘れた(!)ため伊勢谷友介はガチで攻撃を避けていたらしい。


⑤剣心vs蒼紫【3作目・伝説の最期篇】

タイマンの中ではおそらく3作中最も手数の多いバトル。

00:03〜からの当然のような壁走り、00:12〜で宙返り、00:40〜ではワイヤーで背後に下がりながら攻撃を防ぐなどのアクションを完璧にこなす佐藤はもちろん凄いのだが、恐るべきは違和感なく完璧に二刀流を使いこなす伊勢谷友介
00:20〜頃からの動きなんて圧巻で、とても二刀流で戦うのが初めてとは思えない。
他にも00:38から回天剣舞六連、00:44〜では陰陽撥止、00:54〜から呉鉤十字と違和感なく漫画の技を実写化。
このあたりの落とし込み方はアクション監督・谷垣健治の実にうまいところ。
拳法を組み合わせたような戦闘スタイルも原作の設定に実に合っている。

戦闘中に時々蒼紫は敢えて刀を手放しているが、これは蒼紫が地形と手放した刀の位置も計算しながら戦うという天才っぷりを表現しているという。
さすが、"語るアクションを作りたい"と豪語するだけのことはある。


⑥宗次郎(神木隆之介)戦における剣心の壁走り【3作目・伝説の最期篇】

宗次郎が登場するド頭、アクション部がスタビライザーを使用し神木隆之介と同じコースで飛び降りながら撮影していたカメラワークも圧巻だが、このシーンの見どころはなんと言っても佐藤健によるワイヤーなしでの壁走り

1作目ド頭の鳥羽伏見の戦いと前述の蒼紫戦でも壁走りは披露しているが、いずれも舞台が屋外で比較的走りやすそうな地形。
しかし、このシーンは戦艦の中という設定のため壁は垂直に近く踏ん張りの効かなそうな材質。
ここをとてもノンワイヤーとは思えない重力に逆らった動きで走る佐藤の姿は必見である。

壁走り直後に控える障害物を飛び越えるパルクール的な動きや、神木によるロープを使ったアクロバティックなアクションも白眉。


⑦志々雄(藤原竜也)vs剣心・左之助・蒼紫・斎藤(江口洋介)【3作目・伝説の最期篇】

最後なのに動画がないとはこれいかに。

守るべきものを見つけ時代を進めたい者たちと、一人もう一度動乱を起こそうと願う者の闘い。

剣心たち4人が力を合わせて志々雄と戦うクライマックスは、実はジャッキー・チェン主演の名作『プロジェクトA』のラスト、1対3のバトルシーンをリスペクトして作られたという。
なんとこのシーン、OKテイクだけで7時間20分あったらしい。編集作業地獄だっただろうな。

志々雄の悪魔的な強さと、既にボロボロの4人が協力し合いながら戦う姿が熱い。
斎藤・蒼紫の回天剣舞六連と牙突の連携攻撃、それを一本の刀で捌き反撃に出る志々雄、斉藤と蒼紫の後ろから飛び出してくる剣心、隙を見て体当たりする左之助と、5人それぞれの見せ場がしっかりと演出された濃密なアクションシーン。

志々雄の技である弐の秘剣・紅蓮腕の再現度も発見。
原作中でも最も実写化が難しそうな技の一つだが、うまく映像に落とし込んでいる。

終盤は剣心と志々雄のタイマン勝負となるが、この際の剣心の血まみれで腫れ上がった顔は佐藤が本番前に逆立ちで顔を鬱血させて作り上げたものらしい。役者魂に頭が下がる。

もちろん迎え撃つ藤原竜也も負けてはいない。
あれだけ動きづらそうな衣装を身に纏いながら4人を相手にするアクションをこなし、顔面を隠されるという役者として致命的なハンデを背負いながらも眼の力と動き、声だけで志々雄の持つ圧倒的ピカレスクを表現するのは流石の一言。

あんなに自然に人の肩に噛み付き、自然に燃えることができる役者は日本では藤原竜也しかいまい。


他にもまだまだアクションの見どころはあるのですが、今回はここまで。
この記事を通して、一人でも多くの人が実写版「るろうに剣心」シリーズのアクションの素晴らしさを知ってくれることを願っております。

最終章となる「The Final」「The Beginning」では、過去作を超えるエモーショナルなアクションを観ることができるはず。
一日も早く映画館で体験したいと思います。

なんか締めがワーナーブラザーズの回し者みたいになってしまったけど、違うので誤解しないでね。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?