【読む雑談】#12 何もできないと思ってましたけど、いけるやん、って。(1/6)
雑談ラジオ # 12 独立元年から振り返ろう企画:松本博樹編 をテキストでお届け。因みにほんのり関西弁。
役に立つかもしれない# 12 話題のURL も合わせてどうぞ。
牧
はい、というわけで今月の本題です。
独立元年から振り返ろう企画ということで。
今フリーランスは1,100万人くらいになって、正社員の人へのアンケートでは副業に興味を持っている人も700万人を超えたと。
松本
700万人しかいないんですか?少ないくないですか。
牧
これから増えていくんじゃないですかね。
フリーランスは1,100万人を超えたというのもなかなかの規模ですね。
松本
もともとどのくらいいたのか、全然わからないですけど。
牧
とはいえ日本の人口の十分の一。大半が高齢者ということも考えると。
どういう人たちをフリーランスと呼んでるのかわからないですけれど。
自分のやりたいことをやろう、自分でできそうなことをやろう、という機運がある中で。
僕は2005年に会社を辞めて独立しました。
松本さんは2011年。
松本
はい。
牧
当時は今と違って、松本さんの時は周りでやり始めている人は多かったですか?
松本
わかんないです。
周りにそういう人が多くて多い気がしていました。2011年ってコワーキングスペースの黎明期です。そういうところへよく行っていたから、フリーランスになったとかなりたいとか言う人と出会うことが多かったです。
牧
増えてきてる頃ですね。僕が独立した2005年は、もちろんいなかったですね。周りに友達がいなかった(笑)。
お金がないからとにかく無料のセミナーに行きまくって、そういうの繰り返しながら今に至るわけですが。
松本
超ざっくりですね(笑)。
牧
いやまあこれから細かくね(笑)。
じゃあ最初に松本さんの話を聞いていきましょうかね。
めっちゃ細かく聞いていこうかなと思うんですけれど。改めて。前から話してもらってることも多々あるんですが。
そもそも独立しようと思ったきっかけは?
松本
きっかけですか?なんやろう(笑)。改めてになると考えますね。
職場を転々としていたんです。一応正社員で働いてたんですけど、派遣みたいな感じなのかな、プロジェクト単位で出向する感じで、働く場所が全然安定しない、渡り鳥でした。ノマドですけど。
牧
今と一緒ですね。それが嫌だったんですか?あっち行け、こっち行け、って。
松本
嫌でした。めちゃめちゃ嫌でした。自分の意志じゃないんで。安定した生活を望んでたので。
牧
給与面も低かったんですか?
松本
給与もそんな高くなかったんじゃないですかね。
辞めたとき27歳で手取りが20万円くらいやったかな。内訳で言うと、3万くらい手当があったんですよ。辞めたときは結婚してたから家族手当が1万円くらいあったかもしれない。そういうのも諸々込みにしてやっと20万に届く。めちゃくちゃ低かったんじゃないですかね。
牧
給与も上げたいし、安定した環境で仕事したい、ていう感じだったんですね。
松本
お金を増やしたいというのもありましたけど、場所の心配をしなくていいような安定した暮らしをやっぱりしたかった。一応ずっと神戸で暮らしたいと思っていたんで。
牧
プロジェクト単位って、住んでいる近辺に行かされる…?
松本
一回東京に飛ばされそうになりました。
牧
そんなのもありえるんですね。
松本
ありえますね。
出張で行かされましたけど、嫌って言って。めちゃめちゃ拒否しました。それ以来ちょっと待遇が…なんだろう、関西圏でも家から遠いところに飛ばされがちでした。
牧
めっちゃ嫌がらせじゃないですか。
松本
そうかもしれない。
大阪の門真、Pのつく会社に行ったり。最後は大阪の上本町、某鉄道会社の情報系のところへ行ってました。
牧
で、安定したいなという理由で、そこからどういう行動に至るんですか?
松本
新婚旅行でスイスに行ったんですよ。すんごいのんびりした時間が流れているんです。それを見たときに、何してるんやろう自分、ていうふうに思ったんです。ちょっと違和感を持つようになって、自分でできる方法はないのかなと思うようになった気がします。そこから迷い始めた。
それが2010年10月で、それから本をよく読んでました。ビジネスも読んだかな。お金系の本が多かったです。
稼ぎたいというか、お金に困りたくないんですよ。投資系の本もよく読んでました。インデックス投資っていう積み立て投資の本とか、外貨系の本とか、当時FXにはまっていたのもあってそういう本も。他にも普通にビジネスに使えそうな本とか。「人を動かす(D.カーネギー著)」とか「ノマドワーカーでやっていこう」みたいなん。「仕事をするのにオフィスはいらない(佐々木俊尚著)」とか。あれにめちゃくちゃ影響受けました。
だからブログに「ノマド」ってつけたんです。
牧
そこからどうなっていくんですか。
松本
そういうふうに半年、2011年の春くらいまで悶々と続けて、どこかで吹っ切れたのか、もうええわとなって。辞めたろうとなって。とりあえず動いてみようと、半年くらいかけて重い腰を上げ、踏み出しました。
牧
辞めたろうと思ってからはすぐ辞めたんですか?
松本
すぐ上司に連絡して、辞める、って言った気がします。
牧
言ってから辞めるまでに一か月くらいかかりますよね。
松本
上司に言ったのは春になる前くらいやった気がします。3月くらいやったかな。辞めたのは5月になったはずです。
牧
じゃあその間に、今後何しようか、っていうのを考えたんですか?
松本
何も考えてないです。ただ辞めたかった。
牧
辞めるまでは特にこれからどうしていこうとか考えてなくて?
松本
考えてないわけではないですけれど、そんなに具体的なことは何もないです。
牧
辞めた時点ではすることないんですよね。
松本
そうですね、することあんまなかった、ですね。
牧
どっから「ブログ書こう」となったんですか?
松本
ブログは会社員のときから書いていましたよ。個人のブログで細々と旅行記、日記みたいなのなら書いていました。今も残っています。それで別に成果があったとかではないです。アクセス数も見てなかった。
で、FXをやって失敗したんですけれど、それとあわせてヤフオクで物を売り始めていました。ちょこちょこと物が売れ始めて、自分で稼げる、っていう事実に気付いて、それが大きかったです。自信が付いた。
牧
ヤフオクは辞めてから初めてやったんですか?
松本
働いてるときからちょっとだけやってました。でもそれで食っていくにはほど遠い。月1万もいかないです。よくて数千円でした。
牧
そのときも、所謂せどりをしてたんですか?
松本
いや、家にある物をちょこちょこ出してました。辞めた後からもそれがメインでした。せどりをがっつりするのはもっと後から。
牧
自分でも稼げるんやと事実に気付いた、そっからどうなるんです?
松本
辞める決意と気付いたのとどっちが先やったか忘れましたけど。
辞めたくって。一回そう思ったら無理なんで。覆せない。一回決意してしまったことを。
牧
それはもう自分の感情をわかってるんですね。もうこうなってしまったら自分は無理だと。
松本
無理ですね。我慢し続けながら働くのがやっぱりできない。会社に行っても気力が起きない、集中もあんまりできないです。最低限スケジュール組まれているやつだけはやって、あとはぼーっとしてた気がします。
あんまり先に進めすぎても仕事振られるんで。出来ちゃうんですよ、すぐに。上手いことバランスをとって、ちょっと早めにやりつつ余裕持ちながら、あとはぼんやり先のことを考えてました。
悪い会社員ですわ。
牧
あー、僕もやってました。派遣で働いているとき、すぐできちゃうんですけど時間かけてひとつのことやったり、パソコンで人がいないときにリサーチでかちゃかちゃしたりして。
どれだけお金をもらえるところの作業負担を軽くして、自分がやりたいところに時間を割けるか、っていうことを考えながらやってました。
松本
ああ、そうそう、やったことに対する報酬じゃなかったんでそれも嫌でした。
牧
自給ですもんね。
松本
会社での契約が月160~180時間働くみたいになってて、それが嫌でした。関係ないですもん成果と。
牧
ヤフオクで物売って自信ついたくらいの時は、どれくらい売り上げたんですか?
松本
数百円とかです。本を売ってただけなんで。
牧
それでもいけそうやなと思ったんですか?
松本
自信がついただけです。自分で稼げるっていう。
牧
そういう経験ができたのが大きい。
松本
そうですそうです。0を1に変えたみたいな。
牧
結構大きいですか?そこは自分の中で。
松本
大きいです。いまだに覚えてる。何もできないと思ってましたけど、いけるやん、って。
牧
それはおっきいですね。確かに。
(2/6へつづく)