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#89 寿司業界の変革


1.寿司業界の変革

今回は最近の寿司業界における変化と、その課題についてお話しします。特に、お寿司屋さんの運営形態の変化や、顧客単価の上昇、経営スタイルの変化に焦点を当ててみたいと思います。

まず、寿司屋の提供スタイルについてです。以前はアラカルトが主流でしたが、最近20年の間におまかせスタイルが普及しました。この変化には明確な理由があります。アラカルトスタイルでは、寿司屋は提供しないネタも仕入れる必要があるため、原価が上がります。特に貝類は高価で、新鮮なものを提供する必要があるため、コストはさらに高くなります。
おまかせスタイルに移行することで、寿司屋は仕入れを予測しやすくなり、コスト管理が容易になります。しかし、これには顧客からの特定のリクエストへの対応が難しくなるという問題があります。例えば、貝類のような高価で仕入れが難しい食材の要求は、寿司屋にとって大きな課題です。
さらに、寿司屋の経営スタイルも変化しています。以前はオーナーが主体で運営されることが多かったのですが、最近では自己資金や借入によって独立する寿司屋が増えています。これは、寿司屋への融資が容易になったことも一因です。しかし、この流れは競争の激化をもたらし、場合によっては質の低下や、望ましくない客層の流入といった問題を引き起こす可能性もあります。

寿司業界は大きな変革期にあります。おまかせスタイルへの移行は、コスト管理と質の維持のバランスを取る上で重要です。また、経営スタイルの多様化に伴い、独立して寿司屋を開業する人が増えていますが、これは市場の過剰競争を引き起こすリスクもあります。これらの変化に適応し、質の高いサービスを提供し続けることが求められます。

2.日本人のデフレマインドについて

今回は日本人のデフレマインドについて、自身の体験を通してお話しします。最近、テリヤキベストレストランの審査会場でのエピソードが、この問題を色濃く反映していたのです。

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