響きも味もチーズクッキー
小樽発の洋菓子店・LeTAO(ルタオ)で1番有名なのはドゥーブルフロマージュだと思うのだが、同じチーズ菓子なら「小樽色内通りフロマージュ」もおすすめしたい。
「色内」はそのまま「いろない」と読む。おたるいろないどおりふろまーじゅ。
市名+地域名+食材名(しかも長め)と3要素も繋げているにもかかわらず、あまりごちゃつかずに言える心地良さ。「色内通り」と「フロマージュ」が七五調になっているからだろうか。
後半2つがしっくりきすぎて、先頭の「小樽」を忘れそうになるのが玉に瑕。しかしそこを無理やり5文字にしても、自然とそこで一呼吸おいてしまい、毎回「ここで一句」状態になりかねない。
おたるしのー、いろないどおり、ふろまーじゅ。
名前に気を取られて菓子説明を忘れていた。端的に言うと、チョコをラングドシャで挟んだもの。構成こそ定番だが、個人的には一二を争う好き度である。
他より抜きん出ている所以は、ラングドシャとチョコのどちらにもチーズが使用されているところ。マスカルポーネのまろやかで軽やかな風味が広がり、思わず頬が緩んでしまう。
1枚でも魅了が十二分にわかるクオリティなので、その点でも職場等のお土産にうってつけだろう。とはいえ、一箱すべてを独り占めするのも全然アリ。コーヒーやワインなどとあわせた日には、永久機関に突入するに違いない(やったことはない)。
上に見えますのは、そんな美味しいフロマージュのポティロン味でございます。ポティロンとは何かご存じですね? そう、かぼちゃです。
そもそも通常版の時点で小躍りするレベルなのに、まさかのポティロンだと……?
…………ルタオ……好き…………!
と噛みしめながら、普段より濃いオレンジのパッケージを見つめたのだった。言うまでもなく、大変おいしゅうございました。
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かぼちゃとチーズの組み合わせはケーキやサラダでもあるが、クッキーとなると数が少ない印象がある。そのため、比較的短期間で「小樽色内通り~」を含め2種類もかぼちゃチーズクッキーの存在を知ったのは意外な展開だった。
もうひとつのそれは、以前話題にした「御用邸パンプキンクッキー」。以前店頭で見つけたときは悩んだ末に見送ったのだが、こちらもお土産でいただいてしまった。そう頻繁に遠出できない(したい)ので、遠方のかぼちゃ菓子は本当にありがたい。
チョコ等はない純然たるクッキー。ややほろほろっとしており、優しい甘さ。
チーズの塩味とコクが効いていて、「チーズガーデン」というメーカー名にふさわしい味わいだった。ワインのお供としては、こちらのほうが似合うかもしれない。
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どちらも美味しいチーズクッキーであるだけでなく、かぼちゃをうまい具合に使ってくれていた。期間限定品だったのが残念でならない。
しかし現在、新たな季節限定商品が絶賛販売中らしい。
小樽色内フロマージュのミルク味は間違いなく美味しいし、御用邸クッキーはラムレーズンときた。これこそワインだろ!(ただただ飲みたい人)