「マヌルパン」--可愛らしさに潜むのは
週末の混み合うスーパーへ、お昼ご飯のパンを買いに行った。
他の食材を買うわけでもないのに何故わざわざ行くのかと聞かれれば、週末に営業していて、立地が良くて、お手頃価格かつ美味しいからだ。本格的に混雑しているのは食品エリアだろうし、サッサと買ってサッサと出れば問題なかろうと踏んだのである。
お昼近くなのもあってパン屋もそれなりに混んでいたが、うろうろするには問題ない程度……むしろ私が通路を邪魔している感が否めないが(スミマセン)、気になるパンを二つ見繕って帰宅したのだった。今回は珍しくどちらも初めて食べるもの。一つは何となく味の見当がついていたが、もう一つは名前だけでは全くわからないパンだった。
その名は「マヌルパン」。韓国の屋台で人気なパンで、ガーリックバターを塗った生地の中に甘くしたクリームチーズが入っているとのこと。見た目は丸いソフトフランス生地で、そこに放射線状に切れ目が入っており、中からチーズが見え隠れしている。表面に塗られた、艶々と輝くガーリックバターがとても美しい。香りは言わずもがな。
そして味も言わずもがな……だと割愛しすぎなので少しだけお付き合いいただくとして、この切れ目が良い仕事しているのですよ!
他サイトのレシピを見た感じだと、焼いてから切れ目を入れ、チーズを挟み、ガーリックバター類をかけて再度焼くという流れだと思われる。その結果、切れ目の部分がそれぞれカリカリになっているのだ。そして上だけでなく、底面もバターでジュワカリという素晴らしい状態になっている。
そして中のクリームチーズの甘みが外側のしょっぱさとよく合い、絶妙なバランスとなっている。そして地味に嬉しいのが大きさで、塩パンくらいの小ぶりサイズなのだ。あともう少し食べたいな、というところで終わってしまうのが一番美味しく食べられる量だが、ここのマヌルパンはまさにそれなのである。
食後、マヌルパンをもう少し知るべくググってみると、巷では「悪魔的」「罪悪感」という言葉で話題になっているらしいではないか。初耳なのですが……。どうやら私の住民票は巷に無かったみたいだが、それは良いとして、これらの記事を見るまでカロリー爆弾的な印象を抱いていなかったので少し驚いてしまった。これよりもっとすごいパンって結構あるのでは……?
この印象の違いは、先述したサイズ感も大きく関係しているのだろう。また、ネットで取り上げられていたマヌルパンは中の染み込み具合も尋常じゃなかった。今回食べたパンもガーリックバター感は申し分なかったが、確かに中の生地は白いままだった。
ガーリックバターの量、クリームチーズの量、そしてサイズ感。それぞれの割合が変わるだけで、印象が大きく変わるパンのようだ。今回食べたマヌルパンは控えめな部類だったのかもしれないが、個人的には是非そのままでいてほしいと思う。