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二人三脚で歩む
チョコレートを買う決め手になるもの。
お菓子の種類、パッケージデザイン、メーカー。あるいは生産地、製品になるまでの背景……等々。
特に缶の場合、デザインがものをいうことが多い。今回もきっかけはそうだった。
しかし最終的な一押しは、イラストレーターさんを紹介するボードが商品と共に設置されていたことだった。
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今年は母から「欲しい缶とかってある?」と事前に問い合わせがあった。もちろんバレンタインの話である。
昨年のモロゾフ缶は思い浮かんだものの、値段を知ってしまったあとだったのでちょっと言いにくい。あとは『ちいかわ』のポーチ付きチョコは気になっていたが(ラッコ先生も載ってるのよ!)、きっと既に完売している。あれは発売後数日が勝負だろうから。
なので「特にないかな~」と一任することにしたのだが、別日にチョコ売場へ行った際にビビッときたものがあった。
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フーシェやティサージュを展開する松風屋が、「いちごの日」という新ブランドを立ち上げていたらしい。というか、この2つって同じ会社だったのね……。
苺× チョコレート」の美味しさを追求した
新ブランドです。
そしてこの丸い缶。
線の太さや濃淡、色使いから感じる温かみ。
どこか懐かしさをも覚える世界観。
そしていちごを抱える女の子。
もう全部可愛い。
この少女の、良い人と景色に囲まれながら大切に育てられたんだろうな……的な雰囲気がすごく好き。でも自信満々な風でもなく、ちょっと儚さも垣間見えるような……この解釈で合っているかわからないけど。
ちなみに他のラインナップも全部可愛い。特にいちごのステッキを持っているやつ。私は魔法の類が好きなので、このイラストが缶になっていたら決めきれなかっただろう。たぶん母に委ねてたな。
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デザインを手がけたのは「252%」さん。SNSで1日1枚イラストをアップする活動を2014年から続けているそう。すごい。
VALENTINE pic.twitter.com/eRZDxd4xxn
— 252% (@252per) February 13, 2025
冒頭で述べたように、売場には「いちごの日」シリーズの商品たちに加え、252%さんのプロフィールが掲載されていた。
デザインあるところ、その裏には作り手の存在がある。しかしチョコ売場に関して言えば、彼らが誰なのかを知るタイミングはほとんどない。しかしここは違った。252%さんを知ることができた。
仮に商品だけだったとしても「欲しい」と思っていただろう。しかし、メーカーがイラストレーターと二人三脚でこのブランドを作っていこうとしているような、そんな空気を感じて、勝手に嬉しくなってしまった。そして『応援したい』と思った。
今すぐにできる応援、それはこのお菓子を買うこと。
私はすぐ、母に商品URLを送信したのだった。
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