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上海から来た作家と渋谷で会う
キンドル作家のけんいち氏にお会いしました。
氏とはNOTEを通して知り合い、私のこのオレンジのイラストアイコン、私のエジプト留学漫画(未完成🤣)、私のエジプト近代史小説「エジプトの輪舞」、「エジプトの狂想」(既に完成、近日中に発売予定)の表紙などのレイアウトを手掛けてくださった、お世話になりっぱなしの方で、なんだかマルチ才能の方です。
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けんいち氏は関西ご出身、20年以上上海在住(ご家族も向こうの方)とのことなので、東京に疎く、フッ、、、。2024年2月◯日(バレンタインデーではありません、念のため)、ウケる。渋谷のハチ公側で待ち合わせをしました。
私め、ハチ公近辺で誰かと待ち合わせしたのは人生初で、新鮮でした。リアルハチ公の犬を追いかけ回し虐めていた90歳越え婆さんたちの話は何十回も聞いていますが(その都度、ハチ公は駅長室に逃げていた)、
「おお、これがハチ公待ち合わせなのね」
とちょっとドキドキ。ちなみに地元民は待ち合わせは普通は裏通りだとか、、ホテルのロビーとかレストラン直接ですな。
待ち合わせに際して、「とりあえず人民服の中国人っぽい人を探そう」
ところが、あたた。中国語がぎょうさん聞こえてくるので、どれがけんいち氏か分かりません。そもそも「けんいち」と名前からしておもちゃ屋けんちゃん、ケーキ屋けんちゃんしか連想できません。
でも、なんとかお互い見つけて、ニーハオとアッサラーム・アライクムと挨拶しあいました。
都内はさほどお詳しくないとのことでしたが、都心は歩くのが一番観光になるという私のポリシーで、ハチ公からから明治通りを抜けて原宿通過し、六本木まで歩きました。お互い世界100ヵ国ぐらい渡航しているので、
それに比べたら全然大した距離移動ではありません。
途中、よしもと最高!という話をされた時は
「とんねるずの方が面白かった」
と私が言い、しいいんんんんとし、ああ関西関東のベルリンの壁を感じましたが、シャネルの店のまん前で「めだか師匠は面白い」話をされた時は、眼の前に火星が見えたことは一生忘れません。
六本木に着くと
「ここが六本木ヒルズね」
と私がガイドし、浅野内匠頭とか「毛利庭園は赤穂浪士の、、、」と話し始めました。
しかし返ってきたコメントは
「三国志ってね・・・」
忠臣蔵の話をまさかの三国志返しをされました。いやあ、忠臣蔵を三国志で返事されてしまうと何も言えません。中国五千年(でしたっけ?)恐るべし、完敗です。
「うーん、浅野内匠頭の話はだめか」
とやけくそで、すぐそこの六本木ヒルズ内の某バリアーフリートイレを指差し、
「あそこが芸人渡◯がやらかしたトイレで、、、」
すると、忠臣蔵ネタでは食いつかなかったけんいち氏はぐわっと食いついてこられ、初めてたくさん質問がきました。一生忘れません。
六本木ヒルズを出た「直後」に、眼の前のドン・キホーテを見てけんいち氏は
「あれが六本木ヒルズ?」。
「いや、たった今我々がいたのが六本木ヒルズなんで、眼の前のあのビルが六本木ヒルズっていうのはありえないですよ」
「ふうん。で、あれが六本木ヒルズ?」
関西のボケなんでしょうか?真剣に悩みました。
これは数年前、関西の親戚の葬式に行き、小さな子供がなんだかおかしなことを発言し、周りの大人がどっと笑って
「将来、よしもとやなあ」
と言い出した時のアウェイ感といいましょうか、全く意味不明だった戸惑いを思い出しました。
次に昔から馴染みのベルギーレストランに入ると、シェフが変わり味がガタ落ちでショックを受けたのですが、私のあけすけの中国質問にけんいち氏は全て丁寧に答えてくれており、しかし隣に日本語が分かる風の中国人っぽい女性が座っております。案の定、ちらちらこちらに視線をやるのが気になりました。でもま、いいか。中国に住んでいるのはけんいち氏…。
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締めに麻生太郎邸や安倍晋三邸等など見て、「じゃあまたね、インシャアッラー」という感じでお別れしましたが、本当にユーモアと教養知識の塩梅がいい具合で、心根のいい人で良かったです。あの赤い小さな本も全く勧められませんでした。
大昔、私が幼い頃、家に中国からホームステイに来たのですが、お土産のひとつがこの赤い小さな本だったんです。一生忘れられないお土産!
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帰宅後、けんいち氏最新作の「チベットへゆく」の本を読みました。
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そもそも、中国人はチベットにはパスポートなしで行けることすら、知らなかった私はそこから驚きました。
私にとってチベットの仏教のお坊様はナンパ野郎しかなく、というのもインドに住んでいた時、ダラムサラという難民チベット人の多い街にしばらく滞在したことがあり、チベット人のお坊様だらけでしたが、彼らはローレックス腕時計とアイフォンは当たり前でナンパが凄まじく、何度かそれに乗ってデートもしたのですが、軽い軽い、ああ軽い。
このような経験があったため、チベットのお坊様にはいい印象がなかったものの、しかしむろん、品行方正の素晴らしいお坊様もおられるわけで、けんいち氏名著「チベットへゆく」を読み、心が洗われた上、知らなかったことやたくさん紹介されているので、しかも著者がよく理解されて書かれているがゆえに、非常に読みやすく良書だなと感動しました。
輪廻転生の思想についてもわかり易く、宗教も、私は普通の日本人仏教徒の父親とプロテスタントの母親に育てられ、イスラム、ヒンズー、クリスチャンの国々で暮らし、結論としては無宗教に至りました。しかし、そんな私にもこの本は琴線(金銭にホイホイなびきますが、ここでは琴線です)に響きました。
チベットについて書かれた本は少ないですし、中学生でも読める、優しく丁寧に書かれた本です。
ちょうど、私自身、数日以内に仕上がる「エジプトの狂想」小説を書いたところで、テーマがNOSTOS。
19世紀のアレクサンドリア、すなわちそれはズバリ「ギリシャ」なのですが(アレクサンドリアはギリシャ人とイタリア人だらけでした)、NOSTOSはギリシャ語で「ルーツに戻る」。
考え方によっては輪廻転生に繋がるのではないか、と思いますが、自書については改めてとして、「チベットへゆく」、心底お勧めです。けんいち氏、次回、私が通院したインド、ダラムサムのチベット民間療法診察所の写真、見せますね🤣
追伸
けんいち氏は本日、上海にお戻りになられました。またね👋
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