持ち家を買いたいと思ったら
家を買いたいな、と思ったら読んでおくと良いと思います。
あなたが家を買いたいと思ったのが、本心からなのか、周りに影響されたものなのか、はたまた買わざるを得ないのか。理由がどんなことであれ、この日本においてマイホームを購入することが、どのように政策的に推し進められているのかを理解することは、リスク対策として有効だからです。
よく、持ち家派と賃貸派を天秤に掛けたネット記事を見かけますが、表面的では無く、奥深いところで理解しようと思ったら、この本を読むべきです。
日本の福祉国家のもとでは、暮らしのセキュリティは社会権によって得られるのでは無く、「中間組織」への「所属」によって成り立ち、安全の程度はどのような集団のメンバーなのかという変数によって大きく異なる。
この「中間組織」というのが家族であり、会社なのです。だから、未婚&非正規となると、マイホーム取得がきわめて困難になるのです。これは家族持ち&会社員を念頭に、住宅取得のための制度設計が行われているためだからです。
「車上生活」という言葉が生まれていますが、クルマを家として使わざるを得ない人々がかなりの数に上るとされています。さまざまなパターンはあるかと思いますが、会社を辞めることで社宅・寮を退去せざるを得ないという面もかなりあろうかと思います。
そしてどんな背景があろうとも、市町村が持つ住宅に入居できないという問題もあるのです。