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20091101 能の発表会(3)

 能の発表会$${^{*1}}$$が名古屋能楽堂$${^{*2}}$$であった。今回の出演は、独吟(どくぎん)$${^{*3}}$$と能の地謡(じうたい)$${^{*4}}$$である。

 独吟ではなんとか間違えずに謡うことができた。今までで一番上手くできたかもしれない。老練な先輩方からもお褒めの言葉を頂いた。謡ったのは「黒塚(くろづか)$${^{*5}}$$」と言う能のロンギ$${^{*6}}$$と呼ばれる部分であった。黒塚と言うのは安達原の鬼女の物語$${^{*7}}$$で、前半に鬼女に化ける前の老女が自分の境遇を嘆く場面がある。この部分を謡った。舞台$${^{*8}}$$に登場して引っ込むまでおよそ五分程度の出演であった。

 次の出演は能であった。この発表会の三十回記念で、素人による能を披露した。「夜討曽我(ようちそが)$${^{*9}}$$」と題された能である。その地謡の一人として出演した。この能は大体一時間程度で、地謡はこの一時間の間、正座$${^{*10}}$$し続けなければならない。前回の能の出演では、足がしびれて立つ時に少し挫いてしまった$${^{*11}}$$。今回はそうならない様にと思い正座の練習をしておいたが、やはり一時間となると能の終了時には完全に足がしびれて足の感覚が無くなってしまった。

 結局、舞台から引き揚げる際は直ぐに立ち上がれなくて、その場で少ししゃがんでいた。すでに他の出演者は引き払ってしまい舞台には私一人のみが残っていた。大体二十秒ぐらいだっただろうか。足の感覚が恢復したのでゆっくりと歩いて舞台から降りて行った。

 見に来ていた知人達には「(正座に)相当苦労されていた様でしたね」と口々に言われ、大変恰好の悪い思いをした。

*1 20090822 京都合宿(2)
*2 || 名古屋市文化振興事業団 ||
*3 能の誘い / 能について / 能楽用語集(独吟)
*4 能の誘い / 能について / 能楽用語集(地謡)
*5 安達原(観世流以外にては黒塚といふ)
*6 the能ドットコム:ロンギ (能楽用語事典)
*7 安達原(黒塚) あだちがはら(くろづか)|曲目解説|大槻能楽堂
*8 入門・能の世界:能舞台
*9 夜討曽我
*10 20090421 伊勢神宮奉納能楽(2)
*11 20090428 伊勢神宮奉納能楽(3)

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