20060314 πの日(2)
三月十四日は「πの日$${^{*1}}$$」と名付けられている。以前、「πではない日$${^{*2}}$$」の記事にその話題を書いた。
円周率を小数で表そうとするときりがない$${^{*3}}$$。無理数だから$${^{*4}}$$である。かって「ブラウエルの問題$${^{*5}}$$」というのがあった。円周率を十進数の小数に展開したとき「0123456789$${^{*6}}$$」と数字が並ぶところがあるか、という問いである。1997年にそのような桁が発見された。173 億 8759 万 4880 桁目に現れる。
きりがないのでいつかは任意の数列を持つ桁が現れると考えていいだろう。現状は一兆桁程度計算されている$${^{*7}}$$らしいが、例えば「0が一兆桁連続している部分」が見つかるかどうかは今後更に計算してみないと判らない。判らないが、循環せずに無限に続くからどこかにあるかも知れない。「ないとは言えないからある」と結論付けても良さそうだが、「どっちかわからん」という考え方もあるとしたのがブラウエル$${^{*8}}$$だった。そこで「0123456789」の例題を出したのだが、実際に見つかった。
円周率において「0が一兆桁連続している部分」はあるだろうか。同様に$${√2}$$でも出てくるだろうか。「どっちかわからん」ではなく、循環せずに無限に続くのだからいつかは出てくるだろう、むしろ必ず出てくるような気がしてしまう。Pisot数$${^{*9}}$$というのがある。これは無理数なので小数に展開すると循環せずに無限に続く。ところがこの数は小数点以下第一位から1800桁ぐらい「0」が続く$${^{*10}}$$。こういうのがあると思うとますます「0が一兆桁連続」もありそうな気がしてくる。
*1 3 月14 日:π(パイ)の日
*2 20060124 πの日
*3 10進円周率の世界記録の結果抜粋
*4 π が無理数であることを証明します. 高校数学だけを前提に説明するので話が長くなります. 参考文献は杉浦光夫「解析入門 I」p.191.
*5 20030206 Brouwerの問題
*6 Brouwer's Cambridge Lectures on Intuitionism
*7 2002 年 12 月 6 日に記者会見を開いて公表している我々の現時点における最新の記録を以下に示します。
*8 Brouwer summary
*9 20010710 Pisot数
*10 A Pisot number
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