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スタートアップが素早く事業を立ち上げるために必要なこと

前職を退任し、次何をやろうかと各方面にいろいろご相談させていただいている中で、一つ気づきがありました。今回はその内容を後段で詳細を書いています。

<簡単な自己紹介>
2012年よりユナイテッド執行役員(CFO)、スタートアップ投資約10社、M&A6社、上場会社同士の合併後PMI2件を経験。2017年コイネージ株式会社設立、代表取締役CEO就任。2019年に大手金融機関グループへ会社売却。
(簡単な経歴はこちらをご参照ください。)

スタートアップは同じことで困っている

知人VCやいくつかのアーリーステージのスタートアップにヒアリングしたところ、「みんな同じことで困ってるんだな」ということに気づきました。

それは「CEOないしエース級人材が事業以外の、経営管理関係のオペレーションに時間を取られてしまっている」ということでした。

<スタートアップのお困りあるある>
・管理業務全般:CEO(または他の事業系エース級人材)が管理業務を担当しており、経理や財務、人事労務、契約関係も自身で対応してしまっている。(そして何が正解なのかわからずやっている)

・人事制度:採用して組織拡大していくフェーズなのに、採用基準や人事制度が整備できていないし、そもそもどう作るのかわからない。

・採用強化の取組み:採用スピードを上げつつ採用コストも抑えた採用戦術や運用を考えることができていない。具体的なアクションプランを立てられていない。

・PDCAサイクルの確立:ビジネス分析に手が回っておらず、どの獲得チャネルを伸ばすべきか、顧客獲得コストとマーケティング・セールスコストの適正なバランスが取れているのかなど、しっかり議論できていない。

・外部環境分析:市場や競合に関する情報収集、分析が十分でなく、自社の相対的なポジションがリアルタイムに掴めておらず、なんとなく勘で動いてしまっている。

シリーズAくらいのステージの企業を想定すると、まだ上場準備で求められる経営管理水準(予実の精度が高く、内部牽制が効いており、規程運用がしっかりなされてかつ内部監査も行われている状態)を達成している必要はない一方、「事業を素早く立ち上げていくための組織力をいかに早期に構築するか」が生死を分けることになります。

スタートアップが生き抜くための組織力

スタートアップがリソース豊富な既存企業と競争して勝てる理由はなんでしょうか?

スタートアップはその存在意義からして、逆説的なアプローチによる「時間軸のアービトラージ」と言えます。

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スタートアップの事業は、最初は誰にも「どう化けるか理解不能」であり仮説にすぎないことに対し、人と資金を投下して価値を証明していく作業です。
よって、きちんとした意思決定プロセスが備わっている既存企業には、そのような事業を開始する判断をすることが通常できません。

一方、価値を証明するトラクションが生まれてくると、一気にその情報が水面下から浮上して広まり、他の企業の参入が増加します。特に有望な市場であるほど大企業が満を持して参入してくるため、物量作戦で一気にまくられる恐れが出てきます。

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ここで認識しておくべき大事なことは、シード・アーリーステージでは「トラクションを生んで価値を証明すること」がスタートアップの主たる課題であり、スタートアップの死はその価値を証明できないことですが、いざトラクションが生まれてきた瞬間からは、スタートアップの死は「競争的な環境に追い込まれ敗れ去る(または誰も勝てなくなる)こと」に変わります。

この辺りの論考はポール・グレアムとピーター・ティールの考えを紹介している「逆説のスタートアップ思考」をご覧ください。
(こちらのリンクは本書を簡単にサマライズしてくれています。)

組織力強化に向けて検討すべき視点

起業家の多くは誰も気づいていない視点をもち、戦略を構築して事業価値を証明する作業に長けていると思います。

誰もが気づいていない視点で事業を進める以上、試行錯誤はつきもので、これに時間がかかるのはしょうがありませんし、競争相手も同条件で競争しています。

しかし、事業以外の部分(組織のこと、経営管理のこと等)は、どのスタートアップも同じことでつまずくことが多いのです。
そして、同じところでつまずくということは、既に多くの企業でそれを解決する方法が試行錯誤されており、答えが存在することが多いです。

組織力アップとは、つまるところ誰もがつまずく=大体において同じ解決方法に行き着くものについては、試行錯誤を最小化して素早く事業を立ち上げていき、未来の競合に打ち勝つことを目指すということです。

例えば以下のような視点で検討すべきだと思います。

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最後に

今回は入り口の視点のみでしたが、今後また個別論点でまとめていきたいと思っています。またお読みいただけたら嬉しく思います!

(最後までお読みいただきありがとうございます! スキ&フォローもどうぞよろしくお願いいたします!m(_ _)m)

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