2024年11月15日配信の「GCP HOUSE」で語った『スタートアップにおけるロールアップモデル』の中で言及した、私自身のX投稿の内容をまとめたnoteです。 スタートアップによるM&A戦略 類型 3選①ロールアップ(水平型M&A) 同種同業の買収。特に小規模企業を連続的に買収する戦略をロールアップと呼ぶ。 例:アミューズメント施設や医療施設のロールアップ(GENDA、シーユーシー) ②ボルトオン(補完型M&A) 既存の主力事業を補完・強化する目的で実施する買収戦略
注目テーマは「ベンダーからプロバイダーへ」Software as a Service から Service as a Software へ、という議論が盛り上がりをみせています。(注1) 「人間が使うデジタルツールを提供する(SaaS)」から「ソフトウェアが自律的に仕事を遂行する(Agentic AI)」へのシフトであり、スタートアップは補完的役割(ベンダー)から仕事の遂行者(プロバイダー)へと変貌するというストーリーです。 (既存のSaaSがEmbedded-AIになる
(1) アントレナーシップを巡るファクトフルネス スタートアップを創業する際、どのような顧客=市場に対してソリューション/サービスを提供すべきか?この最初の、その後の成否を左右するとても重要な選択について、よく聞くセオリーというものがあります。 「自分自身がとても困っている課題をテーマにせよ」 「競争の無い市場を選べ」 「大きな市場をターゲットとしなければ成功しない」 これらの根拠がどのようなものかといえば、たいていは10年、20年前の成功事例/失敗事例から例を引いていま
シリーズA投資家との対話ファウンダーがシリーズAの資金調達をするために、何人かの投資家に事前相談する場面を想像してみましょう。 ファウンダーは投資家たちから「シリーズAで大切なのは、PMFしていることが確認できること」だと言われます。そこで、PMFとはどういう状態なのかとそれぞれの投資家に質問します。 その回答は: 投資家A:「月次売上が500~1,000万円程度の水準になったらPMF」 投資家B:「業界のTier1グループ企業が○社以上使っている状態」 投資家C:「PM
前職を退任し、次何をやろうかと各方面にいろいろご相談させていただいている中で、一つ気づきがありました。今回はその内容を後段で詳細を書いています。 <簡単な自己紹介> 2012年よりユナイテッド執行役員(CFO)、スタートアップ投資約10社、M&A6社、上場会社同士の合併後PMI2件を経験。2017年コイネージ株式会社設立、代表取締役CEO就任。2019年に大手金融機関グループへ会社売却。 (簡単な経歴はこちらをご参照ください。) スタートアップは同じことで困っている知人V
「30代のためのスタートアップ・ノート」、第5回はAmazonのCEOジェフ・ベゾスの言葉から「経営者が本当にやるべき仕事」について考えてみます。 はじめに・ベゾスの言葉との出会い以前に「アマゾンのすごいルール」という本を読んでから、頭から離れなくったフレーズがあります。 それは「善意は働かない。働くのは仕組みだ」という言葉でした。 ふと、自分が会社を創業してCEOを務めていたときのことを振り返り、当時は社員に対してこんなことを思っていたような気がしました。 ・自分の
「30代のためのスタートアップ・ノート」、第3回は「スタートアップが成功するケース」の一般法則について考えてみます。 (本ノートでの「起業」の定義についてはこちらをご覧ください。) はじめに・「起業の成功」って何?まず、企業そのものが継続企業を前提にしている以上、それぞれのゴールはあっても「成功」の一般化はしづらいです。 そこで本ノートでは、「起業の成功」=「IPO、起業家にとってハッピーな買収、キャッシュフローが黒字化して成長を続けている状態、自社事業が属する市場にお
私は過去スタートアップへの投資やスタートアップの買収に仕事として取り組み、その後大企業グループの中で社内スタートアップし、その会社を他社に売却するまでを経験しました。(詳細は「凡人がCEOを務めて学んだこと」参照) 社内スタートアップ後はものすごく大変な想いをしましたし、振り返って失敗したなという点も多々あります。いや、まさに1勝9敗と言ってよいでしょう。 そういう私だからこそ、「凡人でも起業できる!」ということを世の中に発信していけば、ほんのわずかな人たちだとしても、誰