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『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』感想

幅広い年齢層が見るアニメをつくるって、難しい(『SPY×FAMILY』も、当然ながら、もろもろのことが考えられているのだなと感じた)。

この予告のラスト、突如として石浜opリスペクトみたいな色遣いになっていて、こういう演出にする理由がめちゃくちゃ気になって行ったのだけれど、少なくとも物語上の理由は分かった。

ヨルが戦闘作画要員になるであろうことはTVシリーズからも推察され、なるほど見どころになるようなアニメーションは見ることはできた。

話としては、たとえばアーニャが看取する念話を、意図的に観客に伝えない演出が、鍵になると思った。ラストのシークエンスを見て、コナン映画を想起しないわけにはいかないけれど、コナン映画ほどに収斂するには、たくさんの場数が必要なのだろう。

「家族」で観に来ることを想定してこのようなかたちになっているのだろうなと思う反面、だからこそむしろ、制作側の臨む「家族」と、私の臨む「家族」とのあいだの差異を感じた。話の制約などもあり、難しい。

総じて、オリジナルで、本編に影響をうまく与えず、幅広い「観客」に応える難しさを、(今年のコナン映画のことを想起しつつ)十二分に味わった。このような試みはおもしろいので、ぜひ次回も観たい。

2023.12.28

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