見出し画像

フルコミットする

外出制限でベルリンの現地小学校が閉鎖してから8週間は経っただろうか。上と下の子が別々に通うふたつの現地校や日本語補習校からの連絡メールの数々に翻弄され、週の初めと半ばに送られてくる課題の山に埋もれながら正直かなり消耗した。

1週間分の課題や宿題のプリント、小学生の子供2人分で30枚を超える量なのだから。印刷用の紙とインクがあれよあれよと言う間に減っていく。

次から次へと届くメールも途中で本当に必要な情報が埋もれてしまい嫌気がさしてしまった。

日本語補習校ではオンライン授業が導入されたが、宿題はプリントで出されるため紙の山は減らない。現地校に限ってはオンライン授業などはなく大量のプリントのみが送られてくる。

唯一、楽になったことといえば、課外活動の制限により放課後の送り迎えがなくなったことくらいだろうか。サッカーも水泳もなし。週末の遠征試合などももちろんなし。

休校中の子供達にとって学校の友達に会えないことが一番辛かったに違いない。元々、自宅で仕事をしている私にとっては仕事に当てるまとまった時間の確保と毎日の昼食準備が大変だった。

山のような課題をこなすためにどれだけの時間とエネルギーが必要なのかが知りたくて、1日長男の課題を全て遂行してみることにした。

画像1

結果、仕事は全く手につかず、ほぼ終日ガチで子供とコミットする必要があるということがわかった。こんなこと毎日、仕事と同時進行でやろうと思っても到底できたものではない。

そんなわけで、全体的に見て6割くらいできればいいことにしたら気分的にちょっと楽になった。こんな非常時にあれもこれも完璧にできるわけがないのだ。

画像2

だが5月に入って、6年生を筆頭に5年生の短縮授業が11日から、2年生も今週から始まることになった。それに伴い、ホート(学童)へ子供を預ける条件も一部緩和された。

学校やホートのありがたさがわかる、と言いたいところだが、ホートへ子供を預けると今度は課題が一向に進まないことが判明した。その辺のバランスがベルリンでは非常に難しい。日本ほどきっちりと勉強を見てはくれないからだ。

自主勉強=自由に好きにやらせる、ということなのでほぼ放置されてしまうわけだ。これは日頃から当てはまることだが、学校側のフォローを期待できない分、家庭学習の重要度が増すわけだ。コロナの影響でテレワークを余儀なくされる業種で働く両親の場合、子供の勉強を見ながら仕事も遂行しなければならないことになる。

十分なフォローができれば問題ないだろうが、こういう非常時に各家庭の事情がそのまま教育に影響してしまう。長期化すれば問題になるのは目に見えている。そのため、ベルリンもこのタイミングで学校再開に踏み切ったのだろう。





いいなと思ったら応援しよう!

ベルリンのまりこさん
サポートは今後の取材費や本の制作費などに当てさせて頂きたいと思います。よろしくお願いします!