ベルリンのまりこさん

メディアコーディネーター。映像制作、取材、各種リサーチ、ローカライズなど。現在、ベルリ…

ベルリンのまりこさん

メディアコーディネーター。映像制作、取材、各種リサーチ、ローカライズなど。現在、ベルリンのウクライナ難民到着センターで勤務中。初の共著『ベルリンを知るための25章』(明石書店)。 ブログ→ https://marikokitai.com/

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「キアヌに会いたい」と思ってしまった女性の日

「キアヌに会いたい」そんなこと2日前にはちっとも思っていなかった。思っていなかった、といえば嘘になるが、具体的に本気で会おうとは考えもしていなかった、といえばいいだろうか。 いつものようにツイートを何気なく見ていたら、よく知っている映画館の写真とこんなセリフが目に止まった。 「キアヌに会いたい人は明日18時前にツォーパラストへどうぞ。」 思わず「えっ」と声が出てしまった。さらっと何気なく書かれているが、これはもう行くしかないのではないか、思わずそんな気にさせてしまう何か

    • 放課後に娘と池袋へ

      「今、学校にいるぞ」 8時半前に娘からこんなメッセージが届いた。いるぞ、って。いるんか、そうか、それならよかった。 娘さん、夏バテなのか昨日も一昨日も体調を崩して欠席していたのだ。少しはマシになったのかよかった、と思っていたら「学校のあと会おうよー」とメッセージがきた。いいけど最高気温37度とかでかなり暑いぞ、大丈夫なのか。 そこで六本木の駅から少しばかり歩く必要のある国立新美術館は別の日に行くことにし、授業の終わる午後3時過ぎに娘の留学先の学校に向かうことに。滞在先か

      • 池袋のグローバルリング

        隣のページには「トコジラミ」のロシア語とドイツ語のメモ。思えば遠くまで来たもんだ。今は池袋のGlobal Ring Cafeでホットカプチーノを飲みながら(無印の手帳に)これを書いている。まさにパラレルワールド。 トコジラミ発生が日常の世界からグローバルリングへ。このグローバルリング、現代の円形鳥居で土地の記憶を未来につなぐという意味合いがあるらしい。池袋、という地名からもわかるように、かつてこの地にあった「丸池」をデザインの源泉にしているのだそうだ。いろいろと奥が深いし何

        • 久しぶりの投稿

          気づいたら、noteの投稿もずいぶんと途絶えていた。 もう9月も中旬を過ぎていてなぜか東京でこれを書いている。14日の夜に羽田に着いたのでまだ東京滞在は3日目。あれだけ指折り数えて出発日を待っていたのにもう今は東京にいるのか。体調を崩さなかったのが信じられないほど出発ギリギリまでシフトが入っていた。 あのベルリンでの怒涛の日々が嘘のように、毎日好きな時間に寝て、好きな時間に起きている。時差のせいか変な時間に目が覚めたりもするがそれも気にならない。ほとんど予定もないからだ。

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        「キアヌに会いたい」と思ってしまった女性の日

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          今年で一番暑かった日

          昨日のベルリンはただただ暑かった。どうやらドイツでは今年の最高気温をマークしたらしく、日中は35度近くまで気温が上がったからだ。日本で暑さ対策のために買ったクールタオルを思い出し持参したくらい。濡れタオルを頭の上に置いたり、首に巻いたりして暑さを凌いだ。そしてこんな日に限って午後から夜までスポーツのシフトが入っていた。 体育館の中も自分の体温くらい気温が上がっていた。外に出たら出たでジリジリと容赦なく太陽は照りつけ風もなくただただ暑い。自転車コースにはそれでもたくさんの子ど

          今年で一番暑かった日

          「病欠」の同僚たち

          昨日は休みだったのだけれど、整体の施術中に管理部門から2度も携帯に連絡が入っていたのに気がついた。2度も掛けてくるということは何か大事な案件なのだろうと掛け直してみたところ、翌日のシフトを遅番から早番にできないか、という打診だった。今日は午前中は整体と買い出し、午後は子どもたちの歯科医が入っていてほぼ何もできない。明日は午後からだから少しはゆっくりできるだろう、と思っていたのだが仕方がない。ここは引き受けておくことにした。何といっても7週間の日本行きを認めた上で雇用してもらっ

          「病欠」の同僚たち

          ドイツ語をうまく話せない同僚とロシア語をうまく話せない私

          いつもニコニコ笑いかけてくれるオムスク出身のロシア人同僚。昨日はスポーツ担当だったので、ホール担当だった彼女とは同じシフトには入っていなかった。ウクラナイ人同僚と歩いていると、すれ違い様に珍しく元気のない様子だったので思わず声をかけた。 どうしたの?また何かあった? すると、彼女はウクライナ人同僚に矢継ぎ早にあれこれぶちまけ始めた。やっぱり何かあったんだろうな。よくよく聞いてみると、ロシア語を話さない同僚たちは知らん顔で何もせずに座っているだけ。ロシア語話者なので揉め事の

          ドイツ語をうまく話せない同僚とロシア語をうまく話せない私

          日々、学びあり

          シフトを交換したせいで今週はなかなか2日連続の休みが来ない。中1日だけの休みだと洗濯機を回したり、整体に行ってスーパーに行くだけで半日なんてあっという間に経ってしまう。まさに今日がそんな水曜日。ジムに行く余裕なんてどこにもない。次の休みまでお預けである。 さて、ゲストも叫んだり引っ掻き合いの喧嘩をしたりで大変なのだが、同僚たちもかなり大変なのが現在の職場。学校に行っているときの感覚が蘇ってくる場面が多々あるのだが、まずは朝の会(あるいは昼の会)でひとりの同僚が文句を言い始め

          「多様性」なんて簡単には言えない

          やはり主に子どもや若者、スポーツ好きな大人相手であるスポーツ担当とは違い、住人のベッドが設置されているホール担当はいろいろと大変である。今週は二連続夜勤に続き、遅番が続いたので若干疲労気味。ホールが続くと精神的にもぐったりである。 昨日は15時前に到着したのだが同僚に声をかけると、どうやら昨晩、女性同士で引っ掻き合いの喧嘩があったらしい。引っ掻き合いの喧嘩なんて大人がするものではないと思っていたのだがどうやらそうでもないらしい。自分の中では小学校低学年かそれ以下のレベルの喧

          「多様性」なんて簡単には言えない

          3日半の一人暮らし

          相方と息子は日本に滞在中、娘は親友と一緒に3日間カヌー旅行で不在。今週の月曜日から木曜日の夕方まで久しぶりにひとりだった。貴重なひとりの時間を満喫した、と言いたいところだがなんとこのタイミングで二連続夜勤のシフトが入ってしまったので夜勤を乗り切る3日間になってしまった。残念無念。 就寝のリズムがほぼ戻ったのか昨日は24時前にベッドに入り、今朝は7時過ぎに目が覚めた。途中で3時頃に目が覚めたがそれだけで済んだのでマシな方だろう。 せっかく早く目が覚めたのでひとりの隙に汚れた

          軽く時差ぼけ

          夜勤明けに真っ直ぐ家に帰り、シャワーを浴びてコーヒーを飲み、耐えきれなくて10分だけうとうとしたらもう出発の時間に。最後の関門である整形外科医へ。夏休み中なので普段より待合室は空いていたがそれでも1時間は待っただろうか。 中敷の具合について尋ねられ、痛みなども感じないしいいとは思うが残念ながらサイズが合うシューズがランニングシューズ以外にない、という話をした。もっと日常的に使用できるようアディダスのアウトレット製品をポチる。 「ランニングは30分走ってるの?5キロくらい?

          夜勤二日目

          デスクの前の時計を見るとちょうど1:11だった。まだやっと1時過ぎ。まだまだこれから先は長いのだ。昨日よりも静かな夜で、今のところセキュリティーが「スマホで電話していたり、子どもが騒いでいてうるさい」と言いに来たのと、食堂で子どもたちが飲み終えたあとのテトラパックをわざと踏み潰して大きな音を立てたので注意しに行ったくらいである。通常運転。 見回りをしつつ、散らかったゴミを拾ったり洗面所を軽く掃除したり。空になった水のボトルを回収したりプラスチックのコップを補充したり。やるこ

          初めての夜勤

          8月6日になった。初の夜勤開始は前日5日の23時前。夜の接続は悪いだろうと1時間に家を出たら珍しく待ち時間がゼロだったため、シフト開始時間の20分前に着いてしまった。ちょうど遅番のシフト会議の最中だったようでみんなに「間に合いすぎだね!」と笑われたくらい。相変わらず同僚たちは和やかである。 23時からシフトが始まったが就寝時間後の見回りから、前日のリストの整理、ゲストへの連絡カードの作成など少しはやることがあったので安心した。そうでもしないと時間がなかなか経ってくれないでは

          住んでみないとわからないこと

          ベルリンで共通の友人づてに知り合ってスイスに移住した友人から連絡をもらった。5年くらい会っていなかったような気分で再会してお互いに近況報告をしたら15年は会っていなかったことに気づいて驚いた。時間が経つのは本当に早い。彼女は毎年とても美しい封書を送ってくれる人なのだ。素敵。 久しぶりに会ったような感じは全くしなくて、こういう友人は大切にしたいなぁ、と思った。どれだけブランクが空いても会えば話に花が咲く、そんな人がやはり日本にも何人かいる。 ひょんなことからスイスのチューリ

          住んでみないとわからないこと

          時間通りに目的地につけないベルリン(ドイツ)

          昨日はスポーツの早番だった。遅番とは違い、なぜか時間があっという間に経ち、気づいたらもう17時になっていた。仕事は順調だったのだが、職場に到着するまでが大変だったのだ。 自宅からはトラムか地下鉄でSバーンという大阪でいうところの環状線が発着する駅に向かう必要がある。そこからSバーンで15分ほど走ったところにテーゲル空港までの専用バス発着駅があるわけだ。Sバーンが運休してしまうと地下鉄を乗り継いでバス発着駅まで辿り着く必要が出てくる。 昨日はトラムでSバーンの駅に向かったの

          時間通りに目的地につけないベルリン(ドイツ)

          怒鳴り合う文化

          今日はお休み。 昨日は初のスポーツ遅番だった。13時25分開始、21時55分終了というシフトになる。昼ごはんを早めにとり、出発したが昼過ぎの接続が悪く思いのほか時間がかかってしまった。夏休み中は工事も増えるのでその影響もある。 今日のリーダーは遅番に入っていることが多く、しっかりした印象を持っていた人だった。まず2時間ほどイベントのフライヤーを配る担当になった。ホールや食堂を歩いてゲストに声をかけながらイベントの宣伝をする係である。なるほど。 同僚の話だと若い世代や子ど