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雑誌に載らないお台場・有明観光 [03] - 忘れられた足下の小宇宙
突然ですが、臨海副都心にはたくさんの公園があります。
その歴史は戦後東京の発展で失われた環境悪化を反省したもので、1980年に策定された東京都海上公園構想まで遡ります。今回取り上げる水の広場公園も、そのひとつ。
その園内にある忘れられた小宇宙のお話です。
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水の広場公園とは
名前自体はご存じの方も多いかもしれません。
ただ、そもそもなぜ「水の広場」なのか知っている方は少ないと思います。
水の広場とは、夢の大橋から両岸に広がる護岸一帯を指した名称です。
江東区青海と同有明を跨いでいます。
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古くは1990年に「青海・水の広場計画」として名前が登場し、青海駅周辺に建築される予定だった世界都市博覧会メインゲートと隣接するように考えられていました。
臨海副都心を象徴する場所のひとつとして造られたようです。
「水の広場」の名前は都市博中止や再開発の見直しもあってか、現在は公園名でしか使用されていません。
今回取り上げるのは、東京ビッグサイト駅沿いから有明ふ頭橋までの「水の広場公園 東地区」と呼ばれる部分です。
ここは海・陸側両方からシンボルとなる要素を兼ね備え、「芸術性豊かな文化の香りのする公園」として整備されています。
宇宙が広がる公園
この地区には、よく見ると宇宙をモチーフにした装飾が多く見られます。
今回は東京ビッグサイト側から歩いてみましょう。
春の宵月
シェアサイクルスポットの近くには「春の宵月」として星座がちりばめられています。装飾自体は長らく手入れされていないため、だいぶ汚れ読みにくくなっています。
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園内には星座を散りばめた場所が春夏秋冬の計4箇所あります。
虹のベンチ
護岸沿いにあるベンチです。
空に架かるものだから宇宙のひとつとして盛り込まれているのかもしれませんね。
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夏の宵い空と天の川
東京ビッグサイト駅のエスカレーター前には、夏の星座がちりばめられています。
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階段を降りた場所には天の川を模したような照明が並び、夜になると点灯します。照明のてっぺんからはブラックライトのような照明がかすかに地面と星座を照らします。
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天文台を模したトイレ
天文台のようなドーム型形状をしているトイレがあります。
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中は流石に普通のトイレでした。
幻の展示館
開けた草地からは中央防波堤側の景色を望めるようになっています。昼寝やピクニックスポットとしても使われます。
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ここには元々アートミュージアム(陳列館)が出来る計画でした。臨海副都心の第2期以降に開発される予定だったようですが、開発が見直されるなかで消えてしまったように見えます。
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秋の宵空
草地の横には秋の星座をちりばめたスペースがあります。
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近くには独特な形状の水飲み場とベンチも用意され、多くの人たちが利用する想定を持っていたことが見受けられます。
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オーロラのベンチ
虹のベンチと対になるように設置されています。
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ただ、座り心地よりはデザイン性を優先したような心地はあります。夜間照明が設けられ、オーロラを照らしています。
(折角照らしてるのにド真ん中に電源設備があるのはどうなんでしょうね)
冬の宵月
有明ふ頭橋側の入口(街角広場ゾーン)には冬の星座がちりばめられています。
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ゲートとヘビ
謎の入口のようなゲートとヘビのオブジェが設けられています。
ゲートは落ち着きある園内を作る目的と、かつては夜間照明が設けられていたようです。ヘビも…恐らく何かしら宇宙に結びつけたものと考えられます。
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街路樹の蓋
一部の街路樹には星座をちりばめた蓋が設けられています。
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このように広範囲に宇宙をモチーフにした装飾が見受けられる面白い公園です。
しかも東地区だけであり、夢の大橋周辺や青海駅の前にはこうした装飾はありません。
もし立ち寄る機会があれば、足下を気にしてみてみてください。
終わりに:有明の忘れられた小宇宙
こうした装飾は、残念ながら公園を運営管理する東京港埠頭株式会社のホームページにも記載がありません。
臨海副都心開発の関連資料を辿れば資料が出てくる程度であり、展示施設の建造計画を含めて失われた歴史なのかもしれません。
とはいえ、装飾のコンテクストが失われても部分部分では残っています。
虹のベンチや星座を照らす照明も、その意図が何だったか忘れられても機能はしています。
紐解いて結びつけたとき、なんだか遺跡を探すような心地になります。
個人的には探して遊べる公園として銘打てば、東京ビッグサイトを訪れた親子連れなどに話題になるように感じたりするんですけどね。
ちょっともったいないですよね。
今回のお話は、有明の公園にある忘れられた小宇宙でした。
ではでは。
次回予告 5/17(金)
ガンダム建築。
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過去の記事はマガジンからご覧下さい。
参考:お台場オブジェ・モニュメントマップ
掲載情報のダイジェストやマップはホームページにまとめています。
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