【混ぜるな!危険!】研修や人事制度リニューアルの効果測定における表目標と裏目標
「外部のプロを入れて研修や人事制度リニューアルをしたいけれども
お金をかけることについて、上司を説得できない…」
これは研修やコンサルティングを導入したご担当者様にとって
永遠の課題とも言えるかもしれませんね。
「(決裁者に)説得するために、離職率が◯%下がるとか言えたらいいんですけど…」
「売上がいくらあがるとか言えませんかね?」
などなど、そうした客観的なわかりやすい成果を示したいという
担当者の方のお気持ちは私たちもとてもよくわかります。
ただ、1点だけ気をつけなければならないのは
「表目標」と「裏目標」を混ぜてしまうこと!
どういうことかというと、
決裁をもらう用のわかりやすい指標(表目標)を求めすぎて
目的を達成するためのベンチマーク(裏目標)ではないものを設定し
本当にそれをもとに効果検証をしようとしてしまうことです。
これでは研修やコンサルティング自体もチグハグになりますし、
効果を最大限引き出せなくなってしまいます。
1つ例をみてみましょう。
管理者研修の目的が、
5年後、10年後に職場長になれる人材の育成という場合…
真の目標(裏目標)は以下のように考えていきます。
まずは職場長になれる人材の要件(こういう考え方でこういうことができる人etc)を整理し、
現状の職場長候補の方々とのギャップを把握することがファーストステップです。
そのうえで、まずは研修受講後にはどのような状態変化があればよく、
1年後、3年後にはどうなっていればよいのかという状態設定をします。
例)
現状:事務長、どうしましょうと言ってくる。
↓
1年後:3ヶ月かけてこのように解決していきたいですが、いかがでしょうと仮説をもって相談にくる
そして、その状態設定を踏まえて、
現状の課題の分析や受講者のプロファイルを進めていき(どういう思考の癖があるかなど)
研修プログラムを設計していくというのが一番目的を果たしやすい進め方だと言えるでしょう。
ですが、「表目標」、つまり決裁をもらうための「わかりやすい指標」を求めすぎて、
「とりあえず経営に協力的になって病床稼働率があがると考えられるかもしれないから、目標は病床稼働率90%!」
などのように目標を決めてしまうと、一見素敵なベンチマークのようで
全くベンチマークになっていないので研修自体も場当たり的なものになってしまいます。
上長を説得するために”見せる”ための目標(表目標)ならありなのですが、
やはりせっかくお金をかけて研修を企画するわけですから、
目的、目標を丁寧に設定・共有して意義のあるものにしていきたいところですよね。
本当は真の目標(ここでいう裏目標)一本で決裁者と向き合い、コンセンサスを取ることが理想ですが、
それだけだと正論をぶつけて玉砕する形になるのであれば
表目標と裏目標をうまく使い分けて研修や人事制度リニューアルの企画検討をしていくのがよいでしょう。
(ですが、決して混ぜないでくださいね!)
弊社の研修やコンサルティングは、
こうした工程を飛ばしてパッケージで進めるのではなく
組織ごとに丁寧に目的・目標を設定しながら設計していきます。
だからこそ、相場からしたら決して安くはないお値段にも関わらず、
ほとんどのお客様にリピートいただけているのだと思います。
「研修やコンサルティングの効果設定をどうしたらいいんだろう…」
と悩んでいる方がいらっしゃる方の参考になれば幸いです!