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リハビリのすすめ。
先日、ショートステイに入所されたAさんは、3ヶ月前まで同じくショートステイを利用されていた。その頃は、食事は自力で、排泄は介助を受けてトイレで行っていた。用事があればナースコールを押して知らせてもらっていたし、そのほかにも何かあれば職員を呼んでいた。そんなAさんは、ある時下血が続き入院することになってしまった。その後退院許可が下り、本人とご家族が希望されたため、今回再び入所となった。
気がかりだったのは、退院前の病院の情報だった。排泄はおむつで全介助、ナースコールは押すことはなく、何かを訴えるようなことは無いとのことだった。3ヶ月の入院で筋力低下は予測されたが、ナースコールを押せなくなるまでとは予測していなかった。
退院当日、少し痩せたけどスッキリした表情で病院を後にしたAさん。『起きたら危ないからダメって言われてた』『余計なことを話すと怒られるから我慢してた』『何にもできなくなってこれから心配』と不満や不安が出る出る💦 どうやら病院では抑制されていたようだった。
施設へ戻り1週間、今はちゃんと必要時に職員を呼んでくれている。少しずつ本人らしさを出せてきている✨ただ、排泄はおむつのままだ。本人としては『立てないから行けない』と心配が大きくおむつに排泄しているが、本当はトイレに行きたいと願ってるように思った。確かに筋力低下は否めないけど、ベッドからの起き上がる(一部介助)→浅く座り座位を保つ(自力)→立位をとる(一部介助)→車いすへの移乗(一部介助)という風に、まだまだできる。この時点で介護士としては『全然トイレへ行ける』と判断できるのだが、本人の気持ちがのらなければ身体は動かない。だから、できるようになるよう働きかけ、時には励まし、本人がその気になるのを待つ。
特にリハビリという時間を設けなくても、1日の生活の中で自然に何度も行うことがある。食事などで車いすから椅子へ移る動作もそうだ。そうした生活リハビリを毎日毎日繰り返すことで、できることをやり続けてほしい。Aさんのように入院等で弱気になっている人がいても、生活リハビリで自信を取り戻し、自己効力感が持てたらといつも思う。そこにどんなアプローチで、どんな風に寄り添っていけるかを悩み続けることが、介護福祉士の専門性の大きな柱だと思う。これからも続けたい。