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プラスチックは果たして悪なのか?

もはや、わたしたちはプラスチックなしでは生きられない暮らしになっている。
わたしは今日だけでも、明治チョコレート効果の包装、ヨーグルトの容器、ごま油の容器などでお世話になった。
環境問題において、昨今プラスチックが世界レベルで問題になっている。
すでに1億5000万トンのプラスチックが海に流れており、現在のペースで進めば、2050年には魚の量を超えると試算されている。

プラスチックって何が問題?

ここで問いたいのは、果たしてプラスチックは本当に環境に対して問題なのか、ということである。
その前に、プラスチックとは何かプロダクトの観点から言及したい。

プラスチックとは、ずばり万能素材である。
冒頭で述べた容器、包装はもちろん、ペットボトル、発砲スチロール、洋服はすべてプラスチックでできている。
だからこそ、わたしたちの身の回りはプラスチックであふれている。

さて、プラスチックは生分解性(微生物のはたらきによって、水や二酸化炭素に分解される能力)の観点から、物理的に分解されるのが極めて困難な物質である。
ファッションに置き換えると、廃棄されたコットン(綿)のTシャツは最終的に土に還るが、ポリエステルのTシャツは土に還らない。

最初の問いに対して、プラスチックは確かに石油由来であることを考慮しても環境に対して問題があるのは間違いないが、それ以上に問題なのはプラスチック “ゴミ” である。

プラスチック “ゴミ” を減らすには?

では、プラスチック “ゴミ” を減らすにはどうすればいいのだろうか?
その答えは極めてシンプルである。

1. 捨てない(Recycle)

もう一度言及するが、問題なのはプラスチック “ゴミ” である。
“ゴミ” になるのが問題なのだ。
捨てられずに “資源” として回収されれば、 “ゴミ” になることなく再利用されることになる。
コカ・コーラでは、2030年までに石油由来原料を使用したペットボトルをゼロにするといった目標を掲げている。

2. 使わない(Reuse)

そもそも、プラスチックを利用しないというのも手段の一つである。
先日、『廃棄を促さない仕組み作り』の中で、Loop(ループ)を紹介した。

Loopでは、欧米を中心に使い捨てない容器をP&GやNestléといった世界の大手日用品・食品メーカーと共同開発している。
また、日本においても、東京都内を中心としたイオン19店舗でもLoopの取り組みが開始された。

3. 使わない(Replace)

変化球として、プラスチックライクであるが、プラスチックでないものを使うといった手段がある。
ここにおけるキーワードの一つが、先述で述べた生分解性である。

現在、バイオプラスチックと呼ばれる生分解可能なプラスチックが研究されている。
まだまだ生分解性のスピードやコスト面などの課題もあるが、従来のプラスチックの代替品として注目されている。

また、食べられる素材というものも研究が進んでおり、すでにアメリカでは海藻をベースとした食べられるストローが開発されている。

プラスチック “ゴミ” を減らすには、作る側と使う側の協力が必要不可欠である。
作る側をコントロールすることはできないかもしれないが、使う側としてプラスチック “ゴミ” におけるリテラシーを高めると同時に、できる限り捨てない、あるいは使わない行動を選択できるように心掛けていきたい。

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