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【映画感想】「劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK」を観た
2023年11月に放送されたアニメ「進撃の巨人」の最終話が144分の長編映画になって劇場公開されるというので、さっそく公開日に映画館で鑑賞しました。(この記事はネタバレを含みます!)
「進撃の巨人」は、私の中で特別な作品で、原作でもアニメでも最終話が公開されるのは格別な体験でした。それが、映画館で公開されるというなら、仕事終わりに映画館に駆け込むしかありません。
映画館は当日に行くと長者の列ができていて、作品の人気に驚かされました。女子高生が多くいたのも印象的でした。
18時20分からの回なので、夕食がてらサンドイッチとポップコーン、コーラを注文しいざ鑑賞。
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音響・作画が良い
監督・林祐一郎自らの指揮による本編カットのブラッシュアップに加え、5.1chサラウンド音響による144分の長編映画として制作される本作。
と公式HPにあるように、もともと映画並みの映像をさらにブラッシュアップし、劇場の音響が加わって、良くならない訳がないですよね!
特に地鳴らしのシーンは、地響きの音が空気を振動させる感じが伝わってきて、余計恐ろしさが上がっていました。
また、声優さんのセリフもより心に迫って聞こえました。(特に、エレンが「壁の外で人類が生きていると知って、オレはガッカリした…」の悲痛な演技)
良かったシーン
特によかったな~というシーンをまとめてみました。
ハンジさんの最後
ここは周囲の観客も、キャラと同様にすすり泣いている人が多くいた印象です!
ハンジさんが「今最高にかっこつけたい気分なんだよ」と言って、リヴァイが「心臓を捧げよ」と見送る場面。ハンジさんの憎しみや怒りに囚われず巨人を興味の対象として捉える一風変わった姿勢は、調査兵団のみならず読者にとっても心の支えであったと思います。そのハンジさんが地鳴らし巨人と命を懸けて戦うシーンは、何度見ても感動です。
天と地の戦い
自由を求めた結果、「自由の奴隷」となり異形の姿になったエレン巨人の最終形態「終尾の巨人」。迎え撃つ残された人類の飛行船爆撃の迫力が増していて凄かったですし、その後の、獣の巨人の投石で無残にも撃墜されるシーンで、終尾の巨人の圧倒的な強さが更に強調されていました。
その後、調査兵団らが飛行艇で追いつき、スカイダイビングで終尾の巨人に飛び立つところはやはりBGMも相まってとてもカッコいいですし、その後の多数の9つの巨人との一連のバトルを通しで見られたのが良かったです。
トロスト区の戦いでも言ったミカサの「私は強い!」というセリフも再登場し、終盤になり序盤を想起させるようなシーンが登場するのも構成的なセンスがあるなと思いました。
長い夢
なんとかエレンを巨人化の爆風で吹き飛ばしたのも束の間、エレン本人が超大型化し、光るムカデがエルディア人を巨人化させて戦わせる最終決戦に突入。ようやく地鳴らしを止めたと思いきや、ジャンやコニー、ガビが無垢の巨人となり絶望の2回戦が始まりました。(ここは原作でも絶望感半端なかった…。)
戦いの最中、ミカサは「道」でエレンと2人で駆け落ちした世界線に飛びます。エレンに「マフラーを捨てて、俺のことは忘れてくれ」と言われ、ようやくエレンを殺す決断をすることに覚悟を決めます。12巻の「マフラーを巻いてくれてありがとう」のシーンが象徴するように、ミカサにとってエレンに巻いてもらったマフラーは自分の生きる意味そのものであり、盲目的にエレンの言いなりになるのではなく、エレンが間違ったことをしていたらそれを止めることが本当の「愛」なのでしょう。
ここからのリヴァイ×ミカサのエレン討伐シーンは、神作画も相まって、大作のクライマックスにふさわしい場面でした!
有名な「いってらっしゃいエレン」のセリフとともにミカサがエレンを殺す直前の微笑みとそれを虚ろ気に見つめているエレン。そしてミカサとエレンがキスをする場面は、宗教画のような美しさで、アニメ史に残る名場面だと思います。
また、アニメでは原作にあった第1話の「いってらっしゃい、エレン」がなくなっていたのですが、今回の映画の冒頭に挿入され、無事に伏線回収できました。(ここは第1話から10年越しの138話で伏線回収した原作のほうが伏線回収として美しいかな)
「道」の世界でエレンとアルミンが話すシーン
アニメ化に際して、原作から最も大きく改変されたのは、この「道」でのエレン・アルミンの邂逅シーンでしょう。人類の8割を踏み潰したエレンに対して、原作より激しく怒りをぶつけるところは、誰よりも壁の内外関係なく分かり合う世界を夢見たアルミンのキャラクターとして、より適切な感情描写になったと思います。
原作ではアルミンらを英雄にするために地鳴らしをしたかのように思われるセリフもありましたが、アニメ版では、より本質的な動機としてエレンが生まれながらに持つ自由を求める衝動があることが分かりやすくなっていました。
また、アニメでは地鳴らしによって「壁外人類による一方的な報復戦争にはならない」「残された教訓は、殺すか殺されるかだけ」というように地鳴らしが問題の解決になる訳ではなく先延ばしにしかなっていないことを示唆するセリフになっていたのも、良改変だったと思います。
ライナーが母に「鎧の巨人ではない」ことを打ち明ける場面
個人的にここは泣いてしまいました…!
エレンを倒し、巨人の力が失われた後、「鎧の巨人」であることが存在証明だったライナーが、巨人の力を失ったことを打ち明けます。言いにくそうに打ち明けることから、母親の復讐の手段となってきた今までの人生が見て取れます。その後、1人の息子として母親から初めて愛を受け、安堵した表情に変わっており自然と涙が流れてしまいました。
追加映像
エンディング後に原作34巻のおまけ・進撃のスクールカーストの映像が流れれ、嬉しいサプライズでした!ぬるぬるのカメラワークに加え、颯爽に映画館の掃除をするリヴァイの姿に思わずニヤリ。
原作で内容はあらかた知っていたのですが、「WALLMARIA」と書かれた看板や、とても成長した「あの丘の上の木」が描きこまれるなど細かい予想外の描写があって、最後まで映画を見てくれた人への感謝の意味が込められているようでした。諫山先生の次回作あるといいな~
まとめ
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原作・アニメと両方見た私が行っても、満足感の高い映画となっていました。
映画が終わった後、観客が口々に楽しそうに感想を言い合っていて、1人で観に行った私ですが、観客と一緒に調査兵団たちを見守るような映画体験ができたと思います!
3週間限定の劇場公開のようなので、興味のある方はお早めにぜひ。