「The Third Door/Alex Banayan」
こんにちは
今日も読書録です。
今回はアレックス・バナヤンさんの著書「サードドア」です。
著者のバナヤンさんが大学生の頃に「迷える若者に人生の指針を与えたい」といった考えのもと、世の成功者に「はじめて成功を掴む」までの話をインタビューしていくところから話は始まります。バナヤンさん自身も「迷える若者」の一人としてもがきながら、自身が生きる道を見つけるべくこの事業に取り組んでいきます。
「迷える若者」的な、自分がどう生きるべきかって悩みは誰もが持つものじゃないでしょうか。
いまでこそ私も自分のあるべき姿はなんとなく答えを出せています。が、私も大学生の頃には自分探し的なこともしましたが、明確な答えが見つからず流れで卒業して就職、と人生のフェーズを進んできました。その時時の決断に後悔はありませんが、自分の指針を持っていればただ時間を積み重ねるような過ごし方も少なかったかな?とは思います。
そういう意味で本書は若い人ほど読んでほしいと思う一冊です。
サードドアを開くのは
バナヤンさんは人生やビジネスの成功をナイトクラブの入り口に例えます。
ファーストドア:だれもが並ぶ正面入口
セカンドドア:VIPだけが入れる入り口
サードドア:いつでもそこにあるが、誰もが気づかず、教えてくれない秘密の入り口
バナヤンさんは成功者はいずれもサードドアを見つけ出し、こじ開けたのだといいます。本書では著名な成功者たちの言葉がいくつも出てきます。
そのだれもが、より前向きで、よりハングリーで、より学び、より謙虚で、そして新たな一歩を踏み出せる人たちでした。サードドアを開けるのは変わらない日々を変えていけるパワーとメンタルを持つことだと僕は受け止めました。
ただし、本書の中でも触れられていますがいかに成功者といえども、はじめからそのようなパワーやメンタルを備えていたわけではなかったそうです。
バナヤンさんが大学を中退するか選択を迫られたとき、Facebookのマーク・ザッカーバーグが成功を納めてスパッと大学を中退したのではなく、保険として休学としてFacebookの運営にあたっていたことを知り、励ましを得る場面がありました。
成功者といえど迷いながら一歩を踏み出すことに、僕も勇気をもらった一節です。
人に学び、自分に活かし、人に伝える
バナヤンさんはインタビュー事業をすすめる中で、それまでの人生では関わりを持てないような人たちと知り合い、メンターを得て、多くを学び成長していきました。
本当に、序盤のバナヤンさんは「そらインタビューも失敗するだろ」、「インタビューまでたどり着けないだろ」的なやらかしが多くて、共感性羞恥を持つ人にはちと辛い場面が多いです笑
※共感性羞恥:人の失敗や恥ずかしい場面を自分のことのように感じてしまう感じのこと
でも、インタビューを重ねてたくさんの人と触れ合うことでバナヤンさんは考えを深めて成長します。そしてバナヤンさん自身もそうやって自身の中で育てたものを他者に伝えていきます。
この「先人から学んでそれをまた伝える」ことが社会で善く生きる本質じゃないでしょうか。本書で登場する人たちをはじめ、世に成功を納めた人たちであっても、いつかは学ぶ側で、その人にとってのメンターがいたはずです。
社会では人で構成されているわけで、その中で自分に閉じこもるのではなくて多くの人に会って、新しいことに触れて、自分を広げ続けることが大切なんだろうと思います。
だから私が思うサードドアを開ける方法とは
・先人から学んでそれを伝える
・学びに貪欲である
・慎重でも小さくても一歩を踏み出す
この3つだと思います。
手に取るにあたって
本を要約紹介するyoutubeなどを見て、本書を手に取りました。
要約紹介する動画って、本を紹介するのが目的じゃなくてスキマ時間に見られるように本一冊を数分に凝縮した上で、視聴者に見てメリットになるような情報を提供してるんですよね。それで視聴者増やして、収益化みたいな。
で、この本を読んだときにそういった動画の紹介と本書の内容にかなりギャップがあると感じました。そもそも本書はサードドアの考え方こそ特徴的ですが、ノウハウ本ではありません。450ページ近くかけて描かれるバナヤンさんの青春ストーリーみたいなもんです。
要約紹介する動画では、本書の前半も前半に出てくるサードドアの概念とその例を拾ってきただけ、みたいな内容が多くありました。本書の良さはバナヤンさんがサードドアという答えにたどり着くまでの紆余曲折だと思うのです。答えにたどり着くまで折れないこと、決断すること、時の運など様々な要素がありました。そんな感じで単に一言では伝えきれないけれど生き方を学べる本だと思います。
全文書ききってから思いましたが、誤解を生むのは帯の「成功の抜け道」てメッセージですね。中身読んでないのか、ターゲットウケ重視かなんでしょうか…。