見出し画像

人生を一冊に~サラバ!~

数々の有名人の方がレビューしていた気になって本を手に取った。普段は伊坂幸太郎さんの著書が好きで、タイトルを見て気になったら買うというスタイルなだけに、このタイトルには少なからず頭の中の端の方で引っ掛かっていた。毎度のことながらあらすじは公式ホームページをご覧ください。

物語は主人公の男性の人生を本人からの目線から綴られた自叙伝の形をとっている。序盤は主人公の幼少期の記憶をもとに自己主張の強い母や姉とそして優しすぎる父などから影響を受けどのように考え方や生き方を形作っていたのかが鮮明な描写で描かれていた。

(上)のあたりではサクサク?読めるなと思っていたが、(中)あたりからの作品中の空気の重さが痛々しく、思い出すのも正直辛い。入り込み過ぎと言われればそれだけなのだが、どうして同じことが自分の身の回りで起きるのではと考えてしまう。でも人一人の人生ってそういうものなんだなと、今は自分を納得させるように言い聞かせてる。
それでも最後には希望があって、周りの支えでその希望が成り立っているのだなと。
読んだ後にRADWIMPSの『’I’ Novel』という歌の歌詞を思い浮かべた。

例え1ページで終わる命も 1000ページに及ぶ命も
比べられるようなもんではない 同じ輝きを放つに違いない

人の人生を糧に自分の人生を生きていこうと強く思える作品でした。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?