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読んだ本紹介 【10月】

マリアビートル 伊坂幸太郎

昨年読んだ「グラスホッパー」の続編。
とは、知らずに読み始めたら続編と知り興奮しました。なんせ、グラスホッパーで伊坂さんにハマったのだから。

新幹線という密室の中で幾人もの殺し屋が集まり攻防を繰り広げるサスペンス。ただ、物語をリードするのは中学生?といったそこらにあるようなサスペンス小説とは一癖も二癖も異なるのが伊坂スタイル。600ページ近い本書も世界に引きづり込まれあっという間に読了。
ぜひ「グラスホッパー」ともに読んでみて欲しい、

望郷 湊かなえ

初めて湊かなえさん作品を読んでみました。
有名作家ですので、名前だけは存じていたのですが、読んでみたのは初めて。告白が有名と聞いたので、告白と一緒に選んでみました。
一つの島を舞台にした6つの短編小説を詰め込んだ一冊。小気味良いテンポで進む話が本に没入させてくれます。お気に入りをどれか一つを選ぼうとしたけど、良くも悪くも同じくらいの印象になってしまってて選び切れないです。
新たなお気に入り作家さんに仲間入りです。

変な家 雨穴

映画化で話題となっていた本書は日本に帰国したら読みたい1冊でした。不可解な間取りから紐解く恐怖の呪い。読了後も解らないツッコミどころもちらほらある本書だがミステリーを楽しむ観点からはかなり良かったと思います。サスペンス系は映像含め海外作品であったり現代に近い作品を好む私にとって、日本の少し古い歴史絡みの作品は久しぶりで新鮮でした。
続作の2も読んでみたいと思いました。

告白 湊かなえ

望郷に続き代表作「告白」を読みました。
映画化された有名作品ですが、映画化も14年前と私の記憶には全くありませんでした。
中学校を舞台にする事故の真相を各当事者目線で綴ったミステリー小説。次から次へとそれぞれが告白していく事故の真相と思い。それぞれの境遇や過去の出来事が絡み合い少しずつずれていく思惑が招く悲しい結末。中学生の多感な時期の心情をうまく描写し気持ちが掛け違うストーリーに引き込まれました。望郷と同じく読みやすい店舗でストーリーが進んでいくことも人気の理由ではないかと思います。

影響力 永松茂久

ベストセラー「人は話し方が9割」の著者である永松茂久さんの著書を久しぶりに手に取りました。「人は話し方が9割」の他にも数冊読んだことがある同氏の著書は毎回勉強になります。
この本が出版されたのは約6年前で、現在の社会状況とは異なりインフルエンサーと呼ばれる影響力を持った人たちがITの進化とともに隆盛を築き始めていた頃。同氏のこれまでの略歴を交えながらインフルエンサーがどのような特性を持っているか、そして一般人である私たちがどのように影響を持ったインフルエンサーになるのかを解説してくれている。個人的には、予想していた内容とは少しずれていてあまり興味のそそられる前半ではなかったのですが、読み進めていくうちにビジネスだけでなく、人生に欠かせない要素でもあると感じる内容でやはりこの人の著書にハズレはないなと感じました。また、他著書と同じく読みやすいのも手に取る理由の一つです。

社会の変え方 泉房穂

今回の衆議委員選挙期間中に読んでとても良かったという感想です。

泉さんはワイドショーなどでコメンテーターとして活躍されていることは知っていましたが、明石市市長在職中の具体的な施策やエピソードについては知りませんでした。
明石市市長在職中には、子供を中心(起点)とした街づくりを掲げ困っている市民全員を助ける市政運営を展開してきました。子育て世代にはとても住みやすい街として知られていると思います。

本書のテーマは、政治は自分達で作っていくものであると私たちに再認識させてくれることでした。各自治体の首長選挙で、自分達の声をあげ市区町村から変われば都道府県、国と変わっていくと泉さんは力強く本の中で伝えてくれました。まさにその通り、裏金など腐敗している政治を変えるにはまずは自分達に近いところから自分達のことを考えてくれている候補者を応援するべきです。

「誰がやっても変わらない」なんてことは無いと泉さんは断言しています。私もその通りだと思います。7月の都知事に立候補した石丸さんはじめ本質に向き合い既得権益に縛られない政治家の方にしかこの国を変えることが出来ないのだと私は思います。

とはいえ、いきなり今回のような国政選挙で結果が大きく変わることはほぼ不可能だと思います。ですから、長期的に私たちは自分達の未来を自分達で作って行かなくてはならないのです。まず、選挙に行くそれこそが私たちができる第一歩だと思います。

サウダージ 垣根京介

お気に入り作家である垣根さんの作品を久しぶりに読みました。
「南の島に咲く花は」以来で約1年ぶりくらいです。

他作品と同じく日本と海外を舞台に広がるサスペンス作品。
想像を掻き立てるサスペンスの表現と海外の生々しい現状を鮮明に描いた作品にいつも惹き込まれます。

なんだか、後味は良くないのに読み終えた達成感というか爽快感があるのが垣根さん作品を好きな理由かもしれません。

そろそろ昨年直木賞を受賞した「極楽征夷大将軍」を読みたいなぁと思ってます。

今月は、時間も多く取れてたくさん読書ができ幸せでした。
そして、良い出会いと思える本との出会いが多く嬉しかったです。

では、また。


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