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アコムのCM、本当に感動的?借金の現実をシミュレーションしてみた

消費者金融「アコム」のCMに対して、ネットで賛否両論が巻き起こっています。

CMはこちら。

CMの内容はこうです。

• 主人公は、アルバイトをしながら音楽活動をしているお兄ちゃん
• 妹から結婚の報告があり、「スーツなんて持っていないだろうから、普段の格好でいいよ」と言われる。
• しかし、お兄ちゃんはスーツを用意し、妹の結婚式へ出席。
• 妹は「お兄ちゃんのスーツ姿、初めて見た。似合ってないけどかっこいい。ありがとう。」

CMのキャッチコピーは 「いま、大切なことのために」

ですが、これは消費者金融のCM。
そう考えると、 お兄ちゃんは妹の結婚式のために借金をした という解釈が自然です。


このCM、どう思いますか?
ネット上では、CMに対する賛否が分かれています。

私が特に気になったのが、この意見。

批判している人は、返せなくて困窮していく未来を勝手に想像しているのでは。
この後、頑張ってバイトや音楽活動ですぐ返したら、普通にいい話。

この意見を言った人は、多分借金をしたことがない人ですね。(笑)

そうか。
借金したことない人は
「ちょっとの借金なら、すぐ返せる」
と思っているのかも。

それが一般的な意見なのかな。

と思いました。

知らないとは、怖いことです…。
このお兄ちゃん、本当に「すぐ返せる」のでしょうか?

そこで、私の勝手な妄想で少しシミュレーションしてみることにしました。


お兄ちゃんの借金シミュレーション

前提として、
お兄ちゃんはスーツを買える貯金もなく、生活カツカツの収入で暮らしている
とします。

まず、結婚式にかかる費用を、一般的な額で試算してみます。

「家族の結婚式なんだから、ちゃんとしたのを買おう!」とお兄ちゃんが思った場合。

スーツ:20,000円
靴:15,000円
ご祝儀:30,000円
合計:65,000円

仮に、5000円はなんとか自分のお給料で工面して、
60,000円を消費者金融から借りたとしましょう。

アルバイトをしていることを考えると、借入限度額は低め

また、職業的に社会的信用も高くないため、金利も高めに設定される可能性が高いです。
私が会社員だった頃でも年18% の金利だったので、お兄ちゃんも 18% と仮定します。


1ヶ月で返済する場合

一刻も早く借金返す!という場合。

返済額:60,900円(元金60,000円 + 利息900円)
→ 翌月に60,900円を用意できるなら、そもそも借金はしないはず。(笑)

音楽活動だったら、60,000円一気に準備できそうでしょうか?

例えば、CDを1枚3,000円で販売しているとしたら、20枚以上を1ヶ月で売らなければなりません。
でも、バンドメンバーがいるなら売上を分けるだろうし、そもそも売れる保証もありません。

現実的ではないですね。

人に物を買ってもらうって、簡単じゃない…

6ヶ月(半年)で返済する場合

• 毎月の返済額:約10,532円
• 総返済額:約63,189円(利息3,189円)
→ 返済のためには、 毎月8時間の追加労働が必要。

お兄ちゃんは飲食店でアルバイトをしているようなので、東京の飲食店の平均時給1,435円(Indeedより) をもとに計算しています。

2回くらいバイトを増やすか、毎週2時間延長する必要があります。

もし、元々これ以上働けないくらいバイトを入れていたら、シフトを増やすのは難しいかもしれません。

それに、お兄ちゃんは音楽活動もしているため、半年間この追加労働のペースを維持できるでしょうか?

これがもし会社員だったら、さらに厳しいかもしれません。
実は会社員のほうが、大変なんですよね。

なぜなら、お給料が決まりきっているから。
「来月から給料10,000円上げてください!」なんて、無理な話ですよね。


1年以上かけて返済したら?

もう、冒頭の意見にあった
「頑張ってすぐ返す」は、実現できていません。(笑)

そして、時が経てば経つほど、予期せぬ出費が出てくる可能性が高いのです。

  • 妹が妊娠・出産するかも

  • スマホや家電が壊れるかも

  • 体調を崩してバイトを休むかも。病院代かかるかも。

そのたびに、お金が必要になります。
これって、みんな経験あることですよね。

返済もあるのに、またお金が必要だなんて…
というわけで、
「まだ限度額までいっていないし、またちょっとだけ…」
借金がズルズル増えていく可能性もでてきます。

一度借金すると、
「もう一回くらい大丈夫」
「もう少し借りても平気」
って気持ちになってしまうのです。

これは脳の錯覚なんですよね。

で、限度額いっぱいいっぱいまで借りてしまい、苦しむ。

ここまでシミュレーションしても、CMを肯定できるでしょうか?

このCMを見て 「少しくらいなら借金しても大丈夫」 と思ってしまう人が増えることが心配です。

消費者金融のCMは、あえて「いい話風」に作られていることが多く、有名な俳優やタレントが起用され、温かみのある演出がされています。

でも、消費者金融は金利が高く、 少額の借入でも返済負担が大きくなりやすいのが現実です。

本当に「大切なことのために」お金を使うなら、普段から計画的に貯金をするのが一番。

借金を軽く考えず、 できるだけ避ける選択肢を持つことが大切です。


「大切なことのために」借金をしない方法

では、お兄ちゃんが 借金をしなくても、妹の結婚式に参加できる方法はなかったのでしょうか?


① スーツを買わずに済ませる方法

スーツを持っていなくても、 借金をしてまで購入する必要はありません。

• 友人や親戚に借りる
• メルカリやラクマで、中古品を安く購入する
• スーツレンタルを利用する

例えば、レンタルなら数千円で済むため、借金をするほどの負担にはなりません。

その場をしのぐなら、借金をするよりはマシです。

② ご祝儀を見直す

「ご祝儀は3万円が常識」と思われがちですが、 無理をする必要はありません。

• 地域によっては2万円でもOK(2万円は「ペア」として縁起が良いとされる考え方も)
• 現金ではなく、プレゼントで気持ちを伝える方法もある

無理をして3万円を包むより、 自分の経済状況に合った形でお祝いするほうが健全かもしれません。

音楽活動をしていると知っている妹は、理解がありそうですしね。
普段から、いい人間関係を作っておくことも大切です。

お金の使い方として大事なことって
見栄をはらない
ってことなのです。

③普段から貯金する

本当に大切なことのために 普段から貯金して備えておくのがベストです。

「それができたら苦労しない!😠」と思うかもしれませんが、 やはりこれが一番確実な方法

災害に備えて、防災グッズを用意するのと同じ。
いつ起きるかわからないけれど、起きたら困る出費に備えることが大切です。


実践しやすい貯金の方法

① 先取り貯金をする
給料が入ったら、 最低でも毎月5,000~10,000円を先に貯金する。
「1回飲みに行った」と思えば、意外とできるはず。

② 現金派なら、封筒やファイルで管理
現金派なら、特別費専用の封筒やファイルを作るとよいです。
家から持ち出すと使っちゃうから、おうちに置いておきましょう。
タンス貯金。

③ 特別費専用の口座を作る
口座を分けておくと、使っていいお金なのか、貯めておいたほうがいいお金なのか区別しやすくなります。
でも銀行口座を増やしすぎるのは、管理が大変になります。
そこでオススメなのが、住信SBIネット銀行です!!!

・目的別口座が作れる(特別費・旅行費・家電費…など用途別に管理できる)
自動振替機能 で、毎月決まった額を自動で貯められる

これは私の実際の画面!

こうしておけば、 急な出費があっても焦らず対応できるようになります。

借金のCMの演出は感動的ですが、借金を「気軽な選択肢」として捉えることは危険です。
「少しの借金なら大丈夫」という考えが、後々大きな負担につながることもあります。

本当に「大切なことのために」お金を使うなら、借金に頼らず、計画的に貯金をすることが大切ですね。

読んでいただき、ありがとうございます。

実際借金して返せなくなったときの自己破産の経験は、こちらから読めます^^


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ゆずりんご|自己破産から再起|恋愛×お金×時間
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