使えるようになりました!
Chat GPT4 Turbo
学校で教員だけですが、とてもありがたい!
2024年度は高2の古典探究で生成AIを使っています。だいたい下記の4つのことにAIを利用中。
①古文の内容を現代的なコンテンツと関連付けるようにAIに指示し、AIの回答を吟味する
②古文の解釈についてAIに回答させ、その回答の不備を生徒が吟味する
③古文の解釈についてAIに回答させ、なぜAIがそのように回答したのか生徒が推測する
④古文に関する「問い」についてAIに回答させ、よくできている回答とできていない回答を比較し、なぜ「できるのか?」「できないのか?」考察する
④はまだ授業では取り上げていないので、もう少しネタを集めてから生徒と一緒に考えてみようと思います。
ちょっとやってみたのですが、さて、下記の「問い①」と「問い②」だったら、どちらの問いが「できない」と思いますか?
いずれも、『源氏物語』の「桐壺」からの出題です。じつは問い②の方が文脈さえわかれば答えられる問いなので簡単です。
見事に? 生成AIは問い②については「まぁいいんじゃない」という回答は返せましたが、問い①については、全くダメでした。
『世界はナラティブでできている』(アンガズ・フレッチャー著、青土社)では、人間の思考は少なくとも「論理的思考」と「物語思考」の二つからなっていて、AIは「論理的思考」は非常に得意で人間が太刀打ちできないレベルになっているけれど、人間の創造性の源であるという「物語思考」はできないと指摘されています。
上記の問い①は、web上や生成AIが参照できるデータベースに類似のデータが無いから回答できないのだろうとは思います。それはとりあえず置いといて、じつは私がこの問いで問うているのは、乏しいデータから推測や試行錯誤や、論理の飛躍ができるかどうか、ということです。しかも、その思考の結果について、「なるほど」「オモロい」となって、周囲の人の思考をドライブしていく……
こういう思考ができるのが、文学なのです。
ただ口語訳や文法を覚えたりするのって苦痛で面白くないですよね(私だけかな)。しかもそれはAIの方が得意だよ、とかいわれたりすると、じゃぁAIでいいじゃんってなりませんか?あるいはAIが教えればいいとならないでしょうか?
それは当然です。AIが得意な方法を取っているからです。
まだ、取り掛かったばかりですが、AIが不得意な問いの方がオモロい!となりそうです。
問いを工夫したら、AIだけの支援でテストの点数や偏差値があがるよ~といったシステムにとらわれずに、オモロい学びに生徒と一緒に取り組める場を生み出せる……そんな予感がしています。