見出し画像

リエゾン~こどものこころ診療所~ 第1話

原作付きのTVドラマをどう見るか。
そもそも「原作付きのドラマ」という言い方は本当に正しいのか。「ドラマ化されたコミック」「小説をもとにしたドラマ制作」と、いろんなグラデーションが遠くまで広がっている。

原作が素晴らしいからこそ、という枕をつけるなら、そこから続く翻案は「だからこそ忠実に再現を試みた」となるか、「だからこそ映像化したときに出てくる不具合や祖語を調整して映像化した」とか、「だからこそ文字情報として読めばその筆致が作風として多くのファンを惹きつけたが、脚本とキャスティングでそれをどう翻案すればよいのか悩んだ末にこうしました」とか。

あるいは「原作のよさを活かすにはこれがベストの形だと思ってこうした」とか「少ない予算でやりくりするしかなく、でもそれこそがチームのパワーを生むという意志をもって、最大限の志でこういうかたちになりました」とか。

『リエゾン/全8回』も、おそらくドラマ制作チーム(テレビ朝日。金曜ナイトドラマ)が過去の実績やノウハウ、プロデュース感覚を活かしたうえでの、満を持してのドラマ化なのだと察する。

2023年1月20日から3月10日まで、テレビ朝日系金曜ナイトドラマ」枠で放送された。主演は山崎育三郎

Wikipedia リエゾン -こどものこころ診療所-

リエゾン -こどものこころ診療所-』リエゾン こどものこころしんりょうじょ)は、原作・漫画:ヨンチャン、原作:竹村優作による日本漫画作品。『モーニング』(講談社)にて、2020年14号から連載中[1]。2024年8月時点で単行本の累計部数は210万部を突破している。

Wikipedia リエゾン -こどものこころ診療所-

原作のコミックスもまた、連載を立ち上げるにあたって、作画・原作の担当と原作担当のコンビを組んだ。これはモーニング編集部の主導ということだったのかと思うが、一視聴者としてドラマをどう鑑賞するかという現時点でのテーマからすると、最初から情報を集めすぎるとドラマ鑑賞自体がしんどくなるので、原作者二人へのインタビュー記事を「あとでまたじっくり読む」ということでリンクしておくにとどめる。


全8話のドラマの第1話を観て、最後に「このドラマはフィクションです。専門家の監修を受けて制作しています」とテロップが流れてほっとした。セリフや演出も抑えめな主演の山崎育三郎さんはとても良かった、というか気にならなかったけれど、松本穂香さん演ずる「ドジな研修医」は、美しすぎる(褒めてません)というか、表情が瑞々しくて(褒めてません)、ドジでドタバタでパニックするところまで含めて、演技として素晴らしいものの、観ていて「それでいいのか」という意地の悪い自分の声が耳元で聞こえてしまって、ドラマとして好きとか嫌いと感じたり考えたりする以前に、そんなふうに心の中で呟いてしまう自分自身への嫌悪感が湧いてきてしまう。

とてもくたびれる47分でした。
とはいえ、診療所の朝の描写は心が潤う。場所、軽井沢という設定でしたっけ。原作は連載が話題になった頃に読んだ記憶があります。が、そのあと丁寧に追いかけて読んだとはいいがたく、良いファンとはいえない……そんなふうに反省してしまうことも、軽くドラマを見られない遠因になってしまったのかもしれない。

趣味でチェロを弾く……あ、これは原作でもあったような。もしくは、疲れていた時期にドラマを配信サービスで流し見したのかも。第1話ではパッヘルベルのカノンの冒頭っぽい演奏シーンが流れて、山崎育三郎さんというと、朝ドラ『エール』での高校野球のオフィシャル応援歌を歌った場面が鮮烈で、あれがリンクして、『リエゾン』も朝ドラふうで、だけど「こころの診療所」を朝ドラで題材にすることは大変だろうなとか、そこを頑張って制作したのが『シュリンク』なのかとか。

ひとことで「ドラマを楽しむ」といっても、こんなふうに情報ノイズが怒濤のようにあふれてくるので、溺れずに観ること自体がけっこうテクニカルだな。

とはいえ、漫画原作の脚本って、第1話がすごく「パイロット版」的というか、ともかくいろんな要素をいったん削ぎ落として、力を抜いたセリフと筋運びにしておいて、そこで演出映像をのっけてみて、第3話くらいに全力(という名の8割が理想的)をのせてくる。脚本家によるのかもしれないけれど、そういうイメージがこの1カ月くらいで少しできました。朝ドラ『おむすび』の導入の明るさをイライラしながら眺めていた成果です。

いまはただ、丁寧にドラマ鑑賞をしてみたい。
自分の仕事がつまっているので、でも、そういうときだからこそ、ていねいに文章を、日記を、感想文を、批評未満のあれこれを、書きとめておくべきかもしれない。

ということで、ここまで読んでくださってありがとうございます。
第2話以降を続けて観ようと思っていますが、そのまえに、第1話を再見するか、少しだけ時間をあけるかもしれません。

よろしければ引き続きよろしくお願いします。

いいなと思ったら応援しよう!

ゆずぽん@夢は世界征服な犬
あなたのサポートは書いていくモチベーションになります。

この記事が参加している募集